全日本バレーボール高校選手権(春高バレー)が5日に東京体育館で開幕する。男子は2年ぶり11度目の聖隷クリストファー(静岡)が1回戦で阿南工(徳島)と対戦。聖隷は急成長を遂げたライト平井佑弥(3年)が、勝利を決める。

 聖隷は最後の大会に向けてライトの平井佑弥が成長した。平井は「伸び悩んで仲間に頼ってばかりだった」と苦笑い。中学からバレーを始め、主にセンター。聖隷入学後にサイドのポジションに転向した。平井は「田川先生にいろいろ言われながら。ここで頑張らないと迷惑がかかるので」とここ数カ月を振り返った。

 国体終了後からアタックの練習に時間を費やした。「これまではボールを見過ぎていた。ブロックを見て打てるようになった」と自己分析する。田川明浩監督(47)も「平井が打てるようになった」と認める。浜松商との決勝では主将の飯田翔流(3年)の20本に続く15本のアタックを決めた。右利きだが「ライトの方が得意」と強烈なバックアタックも武器にしている。

 プレーの向上に加えてチーム全体で取り組んでいることもある。平井は「自分たちで盛り上げてプレーの質を上げている」と言う。ゲーム練習ではいいアタック、ブロックが決まると試合さながらのガッツポーズ。コートを走り回ってのハイタッチも出る。

 これらは12月に入ってから取り組んでいるが、ヒントは日本一の学校にあった。全国総体の決勝トーナメント1回戦で対戦した東福岡が行っている雰囲気づくりだった。平井は「練習のテンションをそのまま試合につなげられれば」。全国のコートでは平井がライトバックからの得点で派手なガッツポーズを見せる。【加納慎也】