長崎北陽台はAシードの東福岡に敗れ、87回大会以来11大会ぶりの4強進出はならなかった。

開始早々に2トライを奪われたが、その後は得意のモールからの早い展開で攻め込むも、東福岡の強力ディフェンスになかなかトライを奪うことができない。NO8山添圭祐主将(3年)は「1人相手を倒しても、2人目の寄りが早くタックルでつぶされた」と振り返った。結局、相手ゴール前で10分近くボールを回し続けたが、味方の反則でチャンスをつぶした。

後半に入り徐々にペースはつかんだものの要所でのミスや反則が目立ち、相手の素早い攻撃に対応できず、4トライを奪われ突き放された。東福岡の強力FWに押し切られ、品川英貴監督(43)は「得意のモールがなかなか組めなかったのは残念。一瞬でも気を抜ける相手ではなかったが、勝負どころで、相手の集中力が上回っていた」と話した。山添も「春の対戦時に比べて威力があった。1人1人がラグビーをよく知っていて判断力は自分たちより上だった」と実力差を認めた。

それでも途中出場のSH山田駿也(1年)が後半23分、自陣でボールを奪うと、そのまま相手守備網をかわして独走トライを決めるなど、見せ場を作った。品川監督は山田について「来年から新チームの中心となる選手。なかなか調子が上がらなかったが、最後によく走ってトライを取ってくれた」と話した。

文武両道で練習時間も短く、特に3年生はリスニングがあるため、毎日1時間半ほどしかない。部員数も少ない中、質の高い練習を求めてきた。練習前に山添がその日のポイントを選手に話し、時間を有効に使うようにした。

明日から受験勉強に向かう選手もたくさんいる。フッカー永野晧大(3年)もその1人。ラグビーは卒業する。永野は「勉強もラグビーも頑張れる学校。ラグビーで学んだことをこれからの人生に役立てたい」と語った。1、2年生も多く来年以降も残るメンバーがたくさんいる。山添は「チームとしてのまとまりもあるし、花園でいい経験ができたと思う」とエールを送った。