ラグビーのトップリーグ(TL)で2連覇を目指す神戸製鋼が15日、神戸市内のグラウンドで始動した。昨季はリーグ戦負けなしで15季ぶりに優勝。だが、この日は練習前には昨季のTLカップで敗れたクボタ、東芝戦の映像が流されたといい、フランカー橋本大輝(32)は「伸びしろがあることを再確認したミーティングだった」と気を引き締め直した。

日本代表候補やスーパーラグビーでプレーする選手らは不在だったが、ニュージーランド代表「オールブラックス」の名指導者として知られるウェイン・スミス総監督(61)は「去年の頭(始動)の方がしんどかった。やらないといけないことがたくさんあったから。去年の自分たちよりも高い位置にいる」と評す。選手たちは初日から精力的に走り込み、同総監督は「自分たちがやることに慣れてしまって『できるだろう』と思ってしまうと難しい。2連覇するためには、前年より成長しないとできない」と真剣な表情で語った。

オフ期間中にはコーチらをオーストラリア、南アフリカへと派遣し、それぞれの持ち場で「続けてやること」と「新しく始めること」の判断を仰いだ。ラグビー界屈指の知将は続けて勝つ術と、難しさの双方を熟知する。「我々が『~を目指せ』とは言わない。自分たちが何を達成したいのかを、考えることが大事。決めるのは選手」。優勝の余韻から覚め、常勝軍団となるために大切なシーズンが始まった。