世界的快挙に続け! ラグビー日本代表フッカー堀江翔太(33=パナソニック)が10日、地元大阪・吹田市の盛況ぶりに発奮した。前日9日には同市出身で名城大教授の吉野彰氏(71)がノーベル化学賞を受賞。小中学校こそ異なるが「地元吹田が騒がれている。すごくいいこと。吹田に育ててもらって、感謝したいと思う」と笑顔を見せた。

この日は初の8強が懸かるW杯1次リーグ最終戦のスコットランド戦(13日、横浜・日産スタジアム)に向け、都内で調整。リチウムイオン電池に関する長年の研究が認められた吉野氏同様、経験豊富な堀江も報われる瞬間を淡々と待っている。宿舎の会見は隣に佐藤秀典通訳が同席。「秀さんへの質問ないですか?」と笑いを誘う余裕があり「気持ちは焦らないようにしたい。変な動きをする方が怖い。今までやってきたことを思い返して浸るのは、終わってから」と冷静だ。

4年前、3勝を挙げたW杯イングランド大会から帰国し「またラグビー界を盛り上げるために、結果を残さなアカン」と志した。日本代表が勝つ重みを知っているからこそ、吹田の話題に続けて「町のどこかで、子どもたちがラグビーをやっている姿が見られたらいい。『ああいうのを目指したい』と言ってくれたら、非常にうれしい」。2日後の勝利は、次世代に夢をもたらす大きな価値がある。

前日、主力を温存したスコットランドのロシア戦は見なかった。「メンバーも違うし、全く違うことをしてくると思う。しっかりと自分たちのできることを全うすれば、結果はついてくる」。己を信じ、横浜から吉報を届ける。【松本航】