<柔道:世界選手権>◇28日◇オランダ・ロッテルダム

 28日までに男女とも7階級中4階級が終わり、日本男子はここまで銀メダル1つと苦しんでいる。全日本柔道連盟(全柔連)の上村春樹会長は「何が何でもという気迫がない」と渋い表情だ。

 もっとも前回大会は8階級で金1、銅1。昨年の北京五輪も7階級で金2個と、かつてのようにメダルを集められないのが現状だ。単に日本が弱くなったわけではない。「外国勢はパワー、パワーと言うがそれだけじゃない。技も持っている」と全柔連の吉村和郎強化委員長。技術面で日本の優位性が薄れているという。

 28日、81キロ級の塘内将彦(旭化成)は3回戦でスイス選手に、小外刈りで負けた。上村会長が「世界各地の練習環境が整ってきている」と言うように、簡単に勝てる相手は減っている。同日行われた女子63キロ級が参加30選手だったのに対し、81キロ級が54人と数字の上でも男子は厳しい。

 それでも言い訳が許されない日本柔道界。同会長は「これぞ柔道、というものを見せないといけない。小野、穴井らはそういう内容と勝利を」と、これから登場する重量級に望みをかけた。