中国・上海で開催中の水泳の世界選手権で、イランのモハマド・アリレザイが100メートル平泳ぎ予選を棄権した。同じ組にイスラエルの選手がいたためという疑惑が指摘され、ユダヤ人団体などが批判を強めている。AP通信が29日までに報じた。

 イランはイスラエルを国家承認しておらず、五輪などでも対戦を拒否する例が多くある。アリレザイは2008年の北京五輪でも、同じ組にイスラエル選手がいた100メートル平泳ぎ予選を棄権している。

 アリレザイ選手はAPに対し「前日に(上海に)到着したため疲れていて眠かった」と棄権の理由を説明、イスラエルの選手との対戦は「問題ない」と話したが、世界ユダヤ人会議は「スポーツマンらしくなく、反ユダヤ人的な行為」と批判。イランがこうした態度を改めるまで五輪や国際競技への出場を禁止するべきだと訴えた。