このオフ、契約更改の取材に時折、出ますがこの3日、阪神福原忍投手(38)の取材は正直、楽しかった。この日、兵庫・西宮市の球団事務所で福原は3000万円アップの1億5000万円で契約。現役生活17年を終え、キャリアハイの金額となったのです。

 契約更改取材の裏話をすると、TVカメラが入った場合は、まずアナウンサー、ディレクターといったテレビ局の関係者が代表質問をする。なにしろカメラ、マイクの前なので選手はかしこまった表情です。

 その後、新聞記者を中心にいわゆる“囲み取材”に移り、ここではマイクもないのでざっくばらんに話すのが普通。よく「推定」とされる年俸の金額もこのときにそれとなく教えてくれることが多いものです。

 それでもこの日の福原のようにTVカメラの取材で「金額? ここで言うんですか? 25パーセントアップかな」と口にする選手もたまに。その方がみんなスッキリすると思うのですが、まあ、なかなかむずかしいのでしょう。

 福原の人柄を伝えるための余談でしたが、来季プロ18年目、しかも満40歳シーズンに自身初めて1億5000万円に到達するのは野球解説者の山崎武司氏が楽天に所属していた08年、1億8000万円になって以来とか。さらに投手ではプロ野球史上、最も遅い大台到達らしいです。

 因縁といえば、因縁、その福原と山崎氏には忘れられないシーンがあります。99年9月26日、ナゴヤドームで行われた中日-阪神戦の9回裏、福原は山崎氏に劇的な逆転サヨナラ3ランを食らいました。

 このとき山崎氏は、打席に立ったまま絶叫しながら両手を突き上げて仁王立ち。さらに腕をグルグル回し、とんでもない派手なガッツポーズをしました。当時、虎番記者として現場におり、背筋が凍ったのを今でも覚えています。

 契約更改を終えた福原に「あんなこともあったもんな~」と声を掛けると「打たれましたよね。今でも顔を合わせると『ありがとうな』って言われますもん」とニヤリ。

 勝負の修羅場も終わってみればいい思い出なのでしょう。その山崎氏は45歳まで現役を続けました。16年前にサヨナラ弾を浴びた福原は来年12月で40歳。ここは、ひとつ、山崎氏の域まで現役を続けてもらいたいところです。