元プロでOBの宮崎日大・榊原聡一郎監督(52)が就任して1年で、チームを18年ぶりの甲子園に導いた。広島などで11年プレーし、大半が2軍暮らしの苦労人。「控えの子の気持ちも、大切さも分かる。みんなを甲子園に連れて行ける」と声を詰まらせた。

 エース杉尾は7回まで1安打投球。再登板した9回には、最速141キロを出した。4番前田が4安打するなど、打線も手を緩めなかった。杉尾も前田も1年時から試合に出ていたが、榊原監督の就任後は「謙虚さを持て」などと叱られ、メンバーを外された時期もあった。前田は言う。「涙もろくて熱い監督。自分の性格を見直させてくれた」

 今月初旬にあった最後の合宿の夜。監督が3年生32人を集めて言った。「思いは一つ、甲子園。決まったら、みんなでバスで語りながら行こう」。優勝の味をかみしめる長い旅になりそうだ。(朝日新聞)

 ◆宮崎日大 1963年(昭38)創立の私立共学校。特別進学科、総合進学科、英語進学科、情報ビジネス学科、芸術学科があり、生徒数は1434人(女子787人)。野球部は64年創部。部員数72人。春は出場なし。夏は2度目の出場。主なOBに下園辰哉(DeNA)、武田翔太(ソフトバンク)ら。所在地は宮崎市島之内6822の2。藤川泰助校長。

◆Vへの足跡◆

2回戦5-2小林

3回戦10-0日向

準々決勝1-0都城

準決勝2-1聖心ウルスラ学園

決勝13-0宮崎学園