日本文理が新潟商に8回コールド勝ちした。3番打者の荒木陵太(2年)が2本の長打で4打点と荒稼ぎした。1回裏1死一塁の場面では右翼席に飛び込む先制の2ラン本塁打。5回裏1死一、三塁のシーンで右越えの2点三塁打を放った。準決勝、決勝は22、23日に開かれる。
豪快な一打がゲームを決定づけた。0-0で迎えた1回裏1死一塁。荒木が右翼スタンドへ先制の2点本塁打を放った。「角度はよかったけれど入るのか、入らないのか」と走りながら目で追った打球は、100メートルと表示されたフェンスを越えてポール際に弾んだ。「切れるか、とも思ったので、入ってよかった」。公式戦本塁打は昨秋の準々決勝六日町戦以来。約1年ぶりの快打だった。
「投手(稲垣豪人=1年)が初回を3人で切ってくれたから、試合の流れを持ってきたかった」。荒木が話した通りに、本塁打で主導権を一気に引き寄せた。大井道夫監督(74)も強烈な先制パンチを褒める。「先取点は大きいよね。それも、ホームランで2点取れたから」。2-0で迎えた5回裏1死一、三塁の場面では4点目をもぎ取る。右翼手の頭上を抜く三塁打だ。「あれだけ下がった右翼手を越す。打球が速いんだろうな」と指揮官は言った。
放った安打2本が本塁打と三塁打。しかし、ダイヤモンド上の荒木は派手なガッツポーズも、笑顔も見せなかった。「感情を出さないようにしている」。ところが、ベンチに戻れば歓喜爆発だ。「ヨッシャアと叫んだ。そうすると、ベンチは沸く。ベンチを盛り上げたい」。準々決勝は先発に1年が5人交じる布陣。上級生として、チームの盛り上げ役も買って出ていた。
日本文理が放った安打11本は、大井監督が「10本は打ちたいな、と思っていた」というもくろみをクリアした。今夏は決勝で中越に2-7で敗れたが、指揮官は「夏のチームより打撃はいい」と言う。その言葉の中には、荒木の存在も入っている。「次も、点を取れるところで取ってチームの士気を上げたい」。3番打者は、バットでムードメーカーになる決意だった。【涌井幹雄】

