青森山田(青森3位)が今夏甲子園準優勝の仙台育英(宮城1位)を下し、センバツ出場に前進した。エース右腕堀岡隼人(2年)が11安打を浴びながら3失点完投した。

 勝利の瞬間、堀岡は帽子を右手で握り締めガッツポーズで喜びを爆発させた。4-3の9回2死一塁。右二塁打を浴びるも、相手一塁走者が三塁オーバーランで本塁憤死のゲームセット。「相手の暴走に助けられた。気持ちでピンチを抑えられた」。仙台育英打線に11安打を浴びながら、3失点完投で2年ぶりの準決勝に導いた。

 ゲキに応えた。先発した10日の鶴岡東戦では制球が定まらず、6回で8四球4失点で降板。その日の夜、合宿所で兜森崇朗監督(36)と2人だけで食事をした。「次(準々決勝)は頼むぞ」とハッパをかけられていた。

 この日は4四球を与えたが、最速140キロに迫る直球と、縦に落ちるスライダーがコーナーに決まり8奪三振。「打たせてとることで、リズムをつくりたかった。重心を低くして投げることで(制球が)安定した」と粘りの投球を振り返った。8月に就任し、選手との対話時間を増やし意思疎通を図っている兜森監督も「ボールのキレも戻り、修正できていた。今日は80点、もっと上を目指せる」とエースの復調を喜んだ。

 05年以来となる2度目のセンバツに大きく前進した。次戦は東北大会で2連勝中の盛岡大付。自信を取り戻したエースは「今まで頼りになってなかった。次も絶対勝ちたい」と強気に宣言した。【高橋洋平】

 ◆堀岡隼人(ほりおか・はやと)1998年(平10)9月11日、神奈川・秦野市生まれ。秦野東小1年から野球を始め、秦野東中では秦野シニアでプレー。青森山田入学後は1年春からベンチ入りし、今秋から背番号1。181センチ、80キロ。右投げ右打ち。