松山聖陵(愛媛)は9回裏サヨナラ負け。父がナイジェリア人の196センチ右腕のアドゥワ誠投手(3年)は9回2死一、三塁で187球目を中前へ運ばれた。

 「高めの速球で空振りさせようと考えていました」という制球が、思い通りにならなかった。

 2回に先制されたが、6回に主将の稲葉智也捕手(3年)がタイムリー三塁打を放って同点に追いついた。アドゥワも3回から8回まではピンチを招きながら、この日最速144キロの速球を勝負どころで使いながら、切り抜けていた。

 稲葉主将は、サヨナラ負けの直後に「アドゥワからごめんと声をかけられた」という。そして「最後の場面は自分の配球ミス。アドゥワがいたから、ここまで来ることができた。感謝しています」と、エースをねぎらっていた。

 ◆アドゥワ誠(まこと) 1998年(平10)10月2日、熊本市生まれ。出水南小1年の時に熊本中央リトルで野球を始め、出水中では熊本中央シニアでプレー。松山聖陵で1年秋から登板。家族は父アントニーさん(48)と母純子さん(47)兄大(まさる)さん(20=東農大オホーツク北海道)は九州国際大付(福岡)で甲子園出場。196センチ、86キロ。右投げ右打ち。