早実・清宮幸太郎内野手(2年)の注目される進路に、第3の選択肢が浮上していることが28日、分かった。プロ入りか早大進学の2択になるとみられていたが、第3の案として、プロ入りしながらインターネットで受講する早大の通信教育課程「eスクール」を利用する可能性が浮上した。卒業時に学士を取得できるシステムで、実現すればプロと大学生の二刀流。清宮はこの日、千葉・鴨川市内での合宿を終え、来季の目標に全勝を掲げた。

 合宿の最終日。清宮は、来季に向け「チーム第一」を強調した。すでに高校通算78本塁打を放ち、史上最多とされる山本大貴(神港学園)の107本超えが注目されるが、清宮は「(意識は)ないです。自分のことよりも勝ちたい。鏡じゃないですけど、自分がやることでみんなを引っ張っていく」と主将としての自覚を示した。

 プレーはもちろん、卒業後の進路も注目される。この日も巨人吉武スカウトが視察。年始の練習にも、大勢のスカウトの視察が予想される。プロ志望届を提出すればドラフトの目玉となるのは確実だが、系列校の早大進学という選択肢もある。プロ入りか早大進学か。二者択一とみられていたが、第3のプランの可能性も出ているという。

 関係者によると、プロ入りした上で、インターネットで受講する早大の通信教育課程「eスクール」を利用する案という。講義、リポート提出などもパソコンで可能なシステムで、卒業すれば学士が取得できる。プロ選手と大学生の二刀流。最終決定は、3択の中からいずれかになりそうだ。

 この冬は、体重を3キロ増の約100キロにパワーアップし、肉体強化に取り組んだ。「強いチームを見たら、体の大きい選手がいる。大きい選手がいるチームの方が強いなと思った」。一塁用のグラブには「BE CREATOR」(創造者になれ)と刺しゅうを入れ、「先に、先に」との思いを込めた。

 今年を振り返って「70点くらい…」と苦笑した。夏の予選では、準々決勝で八王子学園八王子に敗退。「いろいろと思うことがあって、それを(秋に)ぶつけられた」。秋季は東京大会を制し、来年1月27日に発表されるセンバツ大会への出場を確実とした。来年の目標を問われ「全部勝つこと」と宣言した。高校野球史の記録にも記憶にも刻まれる1年にする。

 ◆早大eスクール 03年に始まった人間科学部の通信教育課程。学力試験はなく、志望書と面接で選考される。講義、リポート提出などがパソコンで可能。卒業すると学士が取得できる。スケートの羽生結弦が在籍している。OBにKAT-TUN中丸雄一ら。プロ野球界では東出輝裕(広島)寺田龍平(楽天)田辺徳雄コーチ(当時、西武)原俊介氏(元巨人)内田和也氏(元西武)らが合格している。