<センバツ高校野球:報徳学園15-2今治西>◇27日◇2回戦
報徳学園(兵庫)平本龍太郎捕手(3年)が“サイクル超え”の大爆発で8強進出を決めた。2本塁打、2三塁打、2安打の計6打数6安打4打点。センバツ1試合最多安打タイ、最多本塁打タイで、計16塁打は大会最多。15-2で今治西(愛媛)を破り、春夏通算50勝を飾った。
恐怖の8番打者だ。高々と上がった打球が左翼スタンドに吸い込まれた。9回の6打席目。「自分が一番びっくり」の、この試合2本目を放った。この一振りが、大記録を達成した瞬間だった。「すごいの一言です」と、永田監督をうならせた。
8回の第5打席。中越えの大飛球を放ち、二塁で止まれば、サイクル安打だった。それでも、三塁まで全力で走った。ベンチで西郷主将に「何で止まらんねん!」と突っ込まれても、「いやー、別に…」と冷静だった。「自分の記録よりチームのプラスになることが大事なんで」と、常にチームの勝利優先の頼れる女房役だ。「あの子はああいう子なんですよ」と父壮(たけし)さん(52)は息子を頼もしそうに見つめた。
6安打2本塁打の大爆発。だが、スラッガーではない。公式戦は初アーチで、通算5本目だ。中3の春、母有起さん(52)に石川県能美市にある「松井秀喜ベースボールミュージアム」に連れて行ってくれとせがんだ。松井にあこがれ、メジャー好きになった。1試合2本塁打で、かつて甲子園をわかせたゴジラの記録に肩を並べた。
学業も優秀だ。約160人の進学コースで、エース宮谷らと学年1、2の成績を争う。宮谷に「英語は完敗」と言わしめるほど、文武両道を実践している。
実は体調は万全ではなかった。2日前の25日、耳の痛みから目の焦点が合わなくなった。めまいがして、病院で点滴を打った。永田監督が「楽にリードできるように」と打順を7番から8番に下げた。
チームは春夏通算50勝。「自分の6安打よりチームが8強入りできたことの方がうれしいです」。とにかくフォア・ザ・チームのことしか頭にない。【岡本亜貴子】

