日本ハム斎藤佑樹投手(26)のリベンジ登板が、因縁の「鬼門」になる可能性が9日、浮上した。今季初勝利を狙う2度目の先発機会が17日楽天戦(コボスタ宮城)が、有力なことが分かった。同球場での登板は3年ぶりで、過去4戦未勝利で2敗。黒星はともに高校時代からの盟友、田中(ヤンキース)との投げ合いで喫した、ほろ苦い思い出がある。原点回帰の条件が整った一戦で、大量援護を受けた2日ロッテ戦で5回途中降板の屈辱を晴らす。

 佑ちゃんに、心身に反骨のパワーみなぎるマウンドが用意される可能性が出てきた。今季初登板の2日ロッテ戦。最大8点のリードをもらいながら、降板して翌3日に出場選手登録を抹消。失意で再調整を続けていた日々から一気に解放される、雪辱チャンスを手にすることになりそうだ。有力なのは先発ローテーションの谷間、17日楽天戦。この日、2軍の鎌ケ谷で「次に向けて準備するしかない」と明かした強い思いを、体現するには格好の場になる。

 実現すれば「もっている」の枕ことば通り、運命的だ。コボスタ宮城は過去に11、12年に2試合ずつ計4度登板。そのうち2試合を、田中と先発で投げ合った。早実と駒大苫小牧のエース同士で06年夏の甲子園を沸かせた2人が、プロで初めて交わったのが同球場で11年9月10日。斎藤は1年目で、プロ初完投の力投も4失点で敗戦投手。翌12年7月13日に同じくぶつかったが、またも敗れた。仙台では未勝利で、2敗はいずれもマー君相手に喫した。

 巡り合わせの妙だった。斎藤は12日、2軍のフューチャーズ戦(鎌ケ谷)で2イニングを登板予定。早大の後輩、有原との夢のリレーも実現する。8日に予定していたイースタンDeNA戦(ベイスターズ)が雨天中止となり変更された。スライドする形になったことで17日楽天戦に登板間隔、中4日で照準を合わせるプランとみられる。今週が4試合という変則日程のため出場選手登録を抹消されている、既に1勝と安定感ある武田勝も、楽天戦の先発候補の1人。ただ今季の斎藤を、栗山監督ら首脳陣は高評価。早期に登板機会を与えることが得策との考えもあるようで、抜てきの可能性は十分にありそうだ。

 開幕からチームは現在7連勝中と好調で、単独首位をキープ。栗山監督は3年ぶりV奪還を狙う起爆剤の1人に期待。「あれだけ点を取ってもらって、もったいない。ラッキーゲームですから。考えすぎました」。斎藤も前回の5回途中KOの反省を生かし、リベンジの機会をうかがってきた。田中相手に、ほろ苦い思い出が刻まれている仙台。「4・17」は、11年の札幌ドームでのロッテ戦でプロ初勝利を挙げた記念日。佑ちゃんの本能が目覚める舞台装置が整いそうだ。