DeNA山本祐大捕手(27)とソフトバンク尾形崇斗投手(26)井上朋也内野手(23)の1対2のトレードが成立し、両球団から12日に発表された。
DeNAはシーズン途中、しかも交流戦前に正捕手放出という異例の決断。先発投手候補と将来性のあるスラッガーの獲得に踏み切った。ソフトバンクは捕手陣の強化に成功した。
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井上は埼玉・花咲徳栄から20年ドラフト1位でソフトバンクに入団した右の大砲候補。高校通算50本塁打を記録したスラッガーの片りんはプロ入り前から備わっていた。花咲徳栄では、かつてグラウンドの左翼後方に位置する室内練習場の窓ガラスを1度だけ割ったことがある。屋根付近の窓で、飛距離にして120メートル前後。過去に割ったことがあるのは、同じ花咲徳栄出身で憧れの日本ハム野村佑希だけだった。同校の岩井隆監督が「井上はプロでも活躍する」と確信した瞬間だったという。
生駒ボーイズ(奈良)に所属した中学時代も才能は群を抜いていた。中3の南大阪大会では準決勝で2発、ダブルヘッダーの決勝戦では3発をマーク。両翼90メートルの球場で驚異の1日5本塁打の離れ業を見せた。備えるパワーは申し分ない。
高卒1年目の21年は、毎晩10時頃まで2軍本拠地・タマスタ筑後の室内練習場で打撃練習をしていた。当時の球団関係者が「あんなに夜遅くまで熱心に打つ高卒ルーキーは見たことない」と目を丸くした。23年9月25日。敵地ロッテ戦で放ったプロ1号は、ビジター視察に訪れた王球団会長の前で決めた。世界の王は「良かったね。これからもっと打つよ」と言葉を残した。ハマの夜空で花咲くことを。【21~25年ソフトバンク担当=只松憲】
◆井上朋也(いのうえ・ともや)2003年(平15)1月28日、大阪府生まれ。花咲徳栄では1年夏と2年夏に甲子園出場。2年冬から主将。3年時はコロナ禍で甲子園大会が中止となった。高校通算50本塁打。20年ドラフト1位でソフトバンク入り。22年8月の椎間板(ついかんばん)ヘルニア手術などを乗り越え、高卒3年目の23年9月6日ロッテ戦でプロ初出場。182センチ、91キロ。右投げ右打ち。今季推定年俸930万円。



