メッセンジャーまたまたクロだ。混戦抜けだしにフル回転ローテーションを組まれた阪神の大黒柱ランディ・メッセンジャー(34)が、今季最短KOを喫した。4回途中、5失点。7安打5四球の独り相撲で、3連敗の10敗目となった。中4日で予定される次回23日DeNA戦(京セラドーム大阪)までに立て直せるか。

 ベンチ裏からチームバスまで、メッセンジャーは長い足を大股に開き、勢いよく階段を上った。悔しさを隠しきれず足早になった。今季ペナントの行方を占う巨人3連戦の初戦、今季最短の3回1/3を7安打5四球5失点と崩れた。中日山井らに続くリーグワーストタイの10敗目を喫し、顔を紅潮させたまま東京ドームから去った。

 メッセンジャー 今日はチームとして機能しなかった。いい意味で忘れたい。

 制球が定まらなかった。1回1死二塁から3番坂本へのカーブが甘く入り、先制の中前適時打を許した。3回は1死からクリーンアップに3者連続四球。低めのボールになる変化球に手を出してもらえず、自分で自分の首を絞めた。亀井は三振に斬ったものの、2死満塁で村田に走者一掃の左翼線二塁打を献上。4回、4番阿部に押し出し四球を与えたところでタオルが投げ入れられた。

 試行錯誤は見て取れた。全85球のうち、自慢のフォークは8球。3回まではわずか2球だ。代わりにカーブを17球も使った。東京ドームでは前回7月10日、6回を6安打6四球4失点で黒星。フォーク18球のうち14球を見逃され、133球を投げさせられた。巨人打線にはチーム全体で低めフォークを見極められる傾向がある。今回はカーブを変化球の軸に据えたが、肝心の制球力を欠き、配球に意味を持たせられなかった。

 これで3連敗。8月は短い間隔ですでに4戦先発を終え、未勝利だ。ここ3戦はクリアしていたクオリティー・スタート(6回を自責点3以内)にも届かなかった。とはいえメッセンジャーは「状態は問題ない」とし、和田監督もバテについて「それは全くない。ボールは悪くなかった」と否定した。次回は予定通り、中4日で23日DeNA戦に向かう見込みだ。

 今季の東京ドームは3試合で1勝2敗、17回1/3を20安打14四球で11失点となった。今回の3連戦を終えると、敵地巨人戦は2試合。優勝争いが佳境に入っているであろう9月22、23日に組まれている。来るべき時に備え、「東京ドーム乱調劇」の原因を早めに解き明かしておきたい。【佐井陽介】