ギータの優勝前祝いだ! マジック2で京セラドーム大阪に乗り込んだソフトバンクはオリックスに敗れ、優勝は持ち越しとなった。それでも5回に柳田悠岐外野手(26)が今季30盗塁を決め、トリプルスリー(打率3割、30本塁打、30盗塁)の条件を満たした。ヤクルト山田哲人内野手(23)も6日にクリアしており、65年ぶりの同一シーズン2人達成が決定的になった。そして今日こそ、リーグ連覇を決める。
柳田が二塁へ向けスタートを切った瞬間から大歓声だった。ベースカバーに入った遊撃手安達のグラブより先に滑り込んだ右足が二塁に届いた。5回に今季30個目の盗塁となる二盗を決めトリプルスリーを確実にした。
「スタートを切った瞬間にワーッというのは初めて。幸せですね。歓声をもらったので足が進んだかな。プレッシャーもありましたが最後は歓声がすごかったのでびっくりしました」
マジック2で乗り込んだ敵地・京セラドーム大阪は三塁側から左翼席までホークスファンで埋まっていた。前2打席は出塁したが、前の塁が埋まっていた。5回1死で右前打を放った瞬間から、盗塁を期待する異様なムードが高まった。「最初はいこうと思っていなかった」。続く内川の打席、ディクソンの初球はモーションが大きく、2球目はクイック。また大きくなった3球目、隙を逃さず二盗。最初のチャンスで単独スチールを決めた。
この日も「スタートはよくなかった」と話す。188センチの柳田の速さの秘密は「加速力」だ。92年に盗塁王を獲得している飯田コーチは「スタートを切ってからトップスピードに乗るまでが速い。持って生まれたもの」と話す。スタートが多少遅れても、すぐに加速することができる。50メートル走5秒9の柳田は、10メートル走を測ると1・45秒だった。1・6秒を切れば速いといわれる中で群を抜く。
プロ入り時からトリプルスリーを目標にしてきた。「できると思っていなかった。不思議な感じ」と笑った。過去に8人しかいない偉業。秋山前監督は、柳田のパワーとスピードにほれ込み、我慢して使い続け育てた。その秋山が達成した89年は130試合制で、125試合目でクリアした柳田は遜色ない。秋山は87年は43本、38盗塁。90年は35本、51盗塁を記録したが、40本塁打、40盗塁はできなかった。工藤監督も「満足することなく、盗塁を増やしてほしい。まだまだ成長できる」と期待する。この男なら日本人初の「40-40」も十分可能性はある。【石橋隆雄】
▼ソフトバンク柳田が今季30個目の盗塁を決め、シーズン30本塁打、30盗塁を達成。すでにシーズン最終規定打席をクリアしており、残り18試合をすべて1試合5打数で凡退しても打率3割9厘。過去8人しかいない3割、30本、30盗塁の「トリプルスリー」達成が濃厚になった。打率3割6分9厘は達成者の中で最高の50年別当(毎日=3割3分5厘)を現時点で超え、盗塁も単独トップ。トリプルスリー達成者のタイトル獲得は50年別当、53年中西の本塁打王だけで、首位打者や盗塁王なら史上初。シーズン30発、30盗塁は今季のヤクルト山田に次ぎ12人、15度目。シーズンに2人が達成したのは50年(別当、岩本)以来65年ぶり。



