明大のドラフト1位候補、高山俊外野手(4年=日大三)がついに、最多安打記録を射程圏に捉えた。立大戦の第1打席から3打席連続安打を放ち、通算安打数を122に伸ばした。高橋由伸(慶大)の119本、大引啓次(法大)の121本を一気に抜き歴代単独4位。明大OBでDeNA高田繁GM(70)の持つ最多127安打まで残り5本とし、勝利にも貢献した。

 高山らしい、通算22本目の内野安打がカウントダウンの序章だった。初回。カウント3-1から流し打ちした強めの当たりに、三塁手が体勢を崩した。50メートル5秒9の俊足を飛ばし、悠々セーフ。「足で稼いだヒットが出て楽になりました」。4回には右前へ、6回には再び流して左翼線二塁打。3安打を広角に打ち分け、通算安打数を一気に122まで伸ばした。

 現役最多の「安打製造機」は、ラストシーズンを迎え進化している。「今まではカウント3-1だと大振りになっていましたが、コンパクトに振れました」。春終了時は通算117本中、同カウントからの安打は6本のみ。打者有利のカウントでは強引に振りがちだった。「この夏はバッティングカウントで確実にミートすることを意識しました。タイミングの取り方も微妙に変えました」。記録更新へ攻めの姿勢を貫いている。

 金曜日には仲間とともに、府中駅周辺のラーメン屋に足を運んで験を担いだ。「以前、その店のラーメンを食べた週に2、3本打てたことがあって。今回も食べてきて良かったです(笑い)。明日も大振りにならないように、雑にならないようにやっていきたい」。プレッシャーを感じさせず、ラーメン効果もあって技ありの“うまい”安打につながった。

 明大OBでDeNA高田GMの持つ最多安打記録まであと5本と迫り、歴代単独4位につけた。巨人山下スカウト部長は「秋の方が状態はいい。引っ張って流して、打ち損じがない」と評価。ヤクルト小川SDも「プロに入ったと仮定しても、すぐに戦力になるという期待が持てる」とうなずいた。神宮の杜(もり)で、最多安打記録と、プロ野球選手への未来を揺るぎないものにしている。【和田美保】