侍ジャパン中田翔内野手(26)が、筒香を、チームの危機を救った。筒香の守備のミスから2-2の同点に追いつかれた直後の8回表2死二、三塁、左翼線への二塁打を放ち2点を勝ち越した。中田は1点リードの4回1死一、二塁でも、中前適時打で追加点を奪っていた。前日11日のメキシコ戦でもサヨナラ打などで5打点を挙げており、神懸かりな活躍を見せている。チームは苦しい試合を制し、3連勝。決勝トーナメント進出まで、あと1勝とした。
中田が、傷心の筒香を救った。同点に追いつかれた直後の8回2死二、三塁。フォークボールを引っ張ると、打球は三塁線を抜けていった。勝ち越しの2点二塁打。この回の攻撃を終えると、筒香が中田のグラブを持って駆け寄ってきた。これが何よりもうれしかった。
2点をリードする7回の守りで左翼の筒香が痛恨のミスを犯した。先頭エルナンデスが放った飛球の目測を誤り捕球できなかった。記録は二塁打だが、明らかな守備のミスだった。1死後、小川がR・ロドリゲスに同点2ランを許した。勝敗を左右しかねぬミスに、筒香は明らかに気落ちしていた。中田はベンチに戻ると筒香に歩み寄り「気にせずにいけ」と励ました。言葉だけでなく、勝ち越しタイムリーで筒香を、チームを救った。
「自分もエラーをして、みんなにカバーしてもらっている。筒香を見て、何とかしてあげたい気持ちがすごくあった。いいところへ転がってホッとしてます」 4回にも中前へしぶとくはじき返す適時打を放つなど、チームの全4得点中3点をたたき出した。前日11日のメキシコ戦でも全6点中5点を中田のバットがたたき出した。神懸かりの活躍に、小久保監督も「追い込まれても(球の)見極めができている。昨日も今日も中田さまさまでございます」と、褒めちぎった。
調整の成功でもあった。シーズン終盤に打撃を狂わせ、CS敗退直後、中田は実戦感覚を養うため宮崎フェニックスリーグへの参加を直訴した。だが、球団側は協議した上で却下。10月下旬からの沖縄・国頭での秋季キャンプ参加への申し出も同じく却下した。じっくり個人練習に取り組むと同時に、実戦への飢餓感を高めるべきという判断だった。中田は「試合になると気合が入る」と話しており、球団側の狙い通りに調子を取り戻した。
前日11日の活躍は、地元紙などで大きく取り上げられた。「中国時報」ではナインと抱き合う中田の写真とともに「2回の2ランとサヨナラヒットで5打点。パ・リーグの打点王にふさわしい試合だった」と絶賛していた。大爆発はどこまで続くのだろうか。【石橋隆雄】
▼中田が8回に勝ち越し二塁打。中田は第2戦のメキシコ戦でもサヨナラ安打を放っており、2試合連続で決勝打。五輪、WBC、プレミア12で2試合連続V打の日本選手は、04年アテネ五輪1次リーグ台湾戦でサヨナラ犠飛、ギリシャ戦で先制二塁打の小笠原(日本ハム)以来。今大会の中田は、走者のいない場面では5打数1安打だが、走者のいる場面では6打数6安打の打率10割と勝負強い。
◆B組の行方 B組は各チームが3試合を終了。日本は3勝0敗となったが、各組の上位4チームが出場できる決勝トーナメント進出決定はお預け。日本が残り2試合に敗れた場合、日本、韓国、米国、メキシコ、ベネズエラの5チームが3勝2敗で並ぶ可能性があるため。このケースは得失点率で順位を決めるので、12日の時点では日本の決勝トーナメント進出は決まらない。なお、A組は1勝2敗の台湾とプエルトリコの直接対決が残っており、最低でも2チームが3敗以上になるため、3勝0敗のカナダが決勝トーナメント進出を決めた。



