日本ハムが敵地の西武戦で、ワーストずくめの完敗を喫した。先発した吉川光夫投手(29)が4回、西武打線に打者一巡の猛攻を許し、プロ10年目で自己ワーストの1イニング8失点。開幕から8試合連続で先発していた近藤が腰痛で欠場するなど打線も迫力を欠き、岸に今季最少1安打に封じられた。今季最多10失点で、今季初の完封負けとなった。

 わずか1度の攻防が、明暗を分けた。吉川、岸が抜群の立ち上がりで迎えた4回。投手戦の色濃くなり、難攻不落の岸がスキを見せた。先頭の陽岱鋼に四球。続く西川が初球カーブを見逃して1ボール。2球目だった。栗山監督はバスターエンドランで、局面を動かしにいった。西武バッテリーは犠打を想定して直球、コースが甘くなる可能性が高いシーンだった。

 ベンチワークの思惑通りだった。ゴロにしやすい、真ん中低め141キロ。西川がまさかの空振り。一塁走者の陽岱鋼が二盗に失敗した。先制の絶好機が1プレーで、ついえた。

 栗山監督 作戦上の問題だから。

 詳細の説明を拒んだ。西川も責めなかったが、失意に満ちた。緊迫感が一瞬で、緩んだ。4回2死から大勢が決まった。吉川が一、三塁のピンチで不運な一打から決壊した。伏兵・炭谷を、詰まらせた打球は右翼線にフラリと上がる。フェアゾーンのギリギリに落ちた。そのまま打球が右翼側ブルペンに飛び込む先制の適時二塁打。気落ちしたのか、乱れに乱れた。

 下位打線の坂田、外崎に連打を浴びた。リードオフマン秋山に四球。続く金子侑にも押し出し四球と連鎖する。悪夢の仕上げは、浅村へ献上した満塁弾。プロ入り10年目でワーストの1イニング8失点で、この回途中で降板した。「ああいう風になって申し訳ない」。吉川は真正面から受け止め、悔いた。

 今季初の完封負け、2ケタ失点の0-10で、最少の1安打で終戦。野球の怖さを痛感する、たった1度の歯車の狂いで大敗につながった。長い1年で、何度かある収穫に乏しい1敗。珍しく栗山監督の言葉も、荒くなった。「やるしかないよな、もう」。開幕9試合目で露呈した未成熟さの半面、爆発力も備える若手主体の集団。整えて、仕切り直していく。【高山通史】