巨人菅野智之投手(26)が、プロ入り初の2試合連続完封勝利で「鬼門」を打ち破った。プロ入り後、CSでの対戦を含め、7戦未勝利(5敗)だった神宮で初勝利をマーク。打っても3打数2安打1打点の活躍で、投打でヤクルトを圧倒した。打線も8得点とエースを援護し、チームはリーグ10勝一番乗りで再び単独首位に立った。
9回2死満塁、菅野は神宮の地では初めて浴びる「菅野コール」を背に、125球目を投じた。149キロの直球で空を切らせ、ガッツポーズ。威風堂々とハイタッチの輪の中心で手を重ね合わせた。「今となったら、そんなに勝てなかったのかと不思議に思います」と未勝利の3年間を回想。「ホッとしています」と心の底から言葉が漏れた。
2年連続で鬼門・神宮で自らの登板が終わった。14年は右肘の違和感で戦線離脱。昨年はCSファイナルステージ第3戦で敗れ、チームも翌日終戦した。プロ入り後、CSでの対戦を含む、神宮では7戦未勝利(5敗)。開口一番に「長かったですね」と振り返ったが、故障や痛恨の1発と神宮ではいつも負のスパイラルに陥った。
「何かが起きる…」。菅野は鬼門・神宮をそう表現した。突破の鍵は何か。間髪入れずに「真っすぐ」と答えた。「対策はないです。理由が分からないので。ただ、何かが起きないようにするにはと考えた時、それかなと」。9回、山田に投じた2球目は150キロ。勝利への扉を力でこじ開けた。
意識はせずとも、周囲の心遣いがうれしくもあると同時に申し訳なかった。昨年、父隆志さんが神社を訪れ、必勝祈願したことを電話で聞いた。「心配みたいで…。祈願したから、次は勝てるぞって。うれしいですけど、悪いなと」。優しさは心に染みたが、父の気持ちを思えば胸は痛かった。
自らのバットでも、負の歴史を払拭(ふっしょく)した。2点リードの4回1死三塁から、リードを広げる中前適時打。5回にも三塁への内野安打を放ち、2試合連続でマルチ安打をマークした。「打球は弱々しかったですけど」と笑ったが、打席の中でも超攻撃的だった。
年が替わって、対ヤクルトへの意識も変わった。2月28日のオープン戦では5回無失点に抑え、3月25日の開幕戦も7回無失点。ヤクルト戦の無失点記録を21イニングに更新した。プロ入りから3年間、何度も苦しめられた神宮で投打に躍動。チームを単独首位に押し上げた。「これから、譲らないくらいの気持ちで」。エースが神宮の地で力強く誓った。【久保賢吾】
▼菅野が6日阪神戦に次いで完封勝利。菅野の完封はプロ4度目だが、2試合連続は初めてだ。巨人の2試合連続完封勝ちは07年4月8、15日の高橋尚以来。神宮球場ではこれまで公式戦6試合で0勝4敗、CS1試合で1敗とセ・リーグ球団本拠地で唯一未勝利だったが初勝利。打つ方でも2試合連続で2安打を放ち、巨人の投手では03年8月6、12日の桑田以来となる連続複数安打を記録した。



