日本ハムのドラフト2位左腕が、パ・リーグ新人白星一番乗りだ。加藤貴之投手(23)が6回4安打無失点でプロ初勝利。序盤に4点の援護を受けると、テンポ良く6回を69球で無四球と持ち味が出た。好調ロッテ打線に三塁を踏ませなかった。チームは4カードぶりの勝ち越しを決め、今日17日は大谷で同一カード3戦3勝を狙う。
力強く、握りしめられた右手が心地よかった。加藤が6回を投げ終え、ベンチへ戻ると栗山監督が出迎えた。「お疲れさま」と声をかけられ、握手を求められた。「本当に勝ててよかったです」。6回4安打無失点。無我夢中で、左腕を振り続けた先にプロ初勝利も待っていた。パ・リーグ新人一番乗りの白星にもなった。「野手の方が先に点を取ってくれたので、自分のペースで投げられました」。初めてのお立ち台で、帽子を取って深くお辞儀をしながら感謝した。
「先頭打者は大事にしていった」。6回まで先頭打者は全て抑えた。粘られても粘り、無四球。最速140キロながら、ストライクゾーンで勝負した。69球で先発の役目を果たした。
反省を生かした。プロ初先発だった9日楽天戦は緊張で我を失い、2回途中KO。普段は陽気な性格で、試合前はいつも、同期の新人井口と談笑して過ごすが、様子が違った。「僕が話しかけても、全然反応がなかった」(井口)。この日は、試合前から心を整えた。いつも通りに井口と談笑。「緊張は前回よりなかった」と、失敗を糧に勝利への道を切り開いた。
ほろ苦い経験は、中学時代もある。千葉・南房総市の白浜中では軟式野球部に所属。3年時の07年、地区大会を突破して県大会に初出場した。部員11人での快進撃。投手は自分だけで、スタミナを付けようと、初戦の試合前にコンビニ弁当を2個平らげた。失敗した。満腹過ぎて、6連続四球など制球を乱して敗戦。「食べ過ぎた」と猛省から努力を重ね、プロの舞台まで突き進んできた。
栗山監督も「素晴らしかった。ナイスピッチング。自分を信じて腕を振った」と、たたえた快投。次週は5試合のため、いったん出場選手登録抹消の見込みだが、今後へ向けて頼もしい新戦力が台頭した。【木下大輔】
◆加藤貴之(かとう・たかゆき)1992年(平4)6月3日生まれ。千葉県出身。拓大紅陵(千葉)では甲子園出場なし。新日鉄住金かずさマジックでは野手に転向した後、投手に再転向。15年ドラフト2位で日本ハム入団。182センチ、82キロ。左投げ左打ち。今季推定年俸1200万円。



