ショックが2倍、3倍と広がった。阪神ドラフト1位高山俊外野手(22)が肘の異常を訴え、16日の中日5回戦(ナゴヤドーム)を欠場した。開幕から1番打者として全18戦に先発。「超変革」を象徴する活躍をしていたルーキーを欠いた一戦は、熊本出身の先発岩貞が7回無失点と力投したが、3点リードで8回福原、9回マテオがつかまり、痛すぎる逆転サヨナラ負けを喫した。
マテオは中堅横田の頭上を越す打球をぼうぜんと見送るしかなかった。金本監督もベンチに座ったまま、現実を受け入れられないようでいた。1点リードの9回1死満塁。守護神が151キロの真っすぐを8番杉山にはじき返されて、逆転サヨナラ負けだ。あと2死で首位返り咲き目前、悪夢の連敗で3位後退となった。
金本監督は「ちょっと調子が…。スライダーの曲がりがね」と言葉を絞り出し、切れを欠いた宝刀に敗因を求めた。先頭ビシエドに甘く入ったスライダーを右中間へ二塁打されると、その後もスライダーの制球が定まらず2四球…。最後は苦し紛れに投じた真っすぐを杉山に捉えられた。マテオは9戦目の初黒星に「今日はこういう日…。切り替えて頑張るよ」と懸命に前を向くしかなかった。
9回だけでなく8回の男も沈んだ。3点リードで登板した福原は先頭杉山に四球を与え、代打藤井に右中間を破られた。1死も取れずに2失点。岩貞に沈黙していた中日打線を目覚めさせ、7戦目で初失点となった。金本監督は初めて崩れた勝利の方程式に「これも野球だし…。岩貞もいっぱいいっぱいだったし、代え時は代え時だったと思う」と自身を納得させるように言うしかなかった。
攻撃陣にも暗いニュースが襲った。開幕から1番を務めた新人高山が肘を故障したとみられ欠場。左太もも裏付近を痛めた福留はこの日も打撃練習を行わず、2戦連続の欠場となった。急きょ1番鳥谷、2番西岡の布陣を組み、5回に3点を先制したまでは良かったが、2人の不在も響いてか、終わってみれば4安打。指揮官も「追加点があれば、流れも来たんだろうけど…」と厳しい表情だ。
マテオと福原で3点を守れず、逆転された。主砲の福留に続いて戦列を離れたリードオフマン高山も復帰メドは不透明だ。ダメージの残りそうなダブルショックをどうはね返していくのか。金本阪神にまた試練が訪れた。【松井清員】
▼阪神がリードした状況から一気に逆転サヨナラ負けを喫したのは、1日DeNA戦(横浜)で1点リードの9回に2点を失い敗れたのに続き、今季2度目。シーズン19試合目以内に、この展開で2度のサヨナラ敗戦は、82年4月3日大洋戦(横浜=開幕戦で小林繁がサヨナラ暴投)、同24日ヤクルト戦(神宮)以来、34年ぶりだ。



