ヤクルト中村が、起死回生の1発を放った。1点を追う9回2死一、二塁。敗戦濃厚な状況で、初球から勝負を仕掛けた。中日岩瀬の甘く入ったスライダーをフルスイング。左翼スタンドに届く打球を見届け、満面の笑みでダイヤモンドを1周した。「とにかく甘い球が来たらと思っていた。みんなでつないだ粘り勝ちですね」と控えめに喜び、ファンの「出来すぎや!」という声に、思わず「本当に出来すぎ」と、少し照れた。
パワーアップした肉体が生んだ2号3ランだった。咋オフから肉体改造に着手。タンパク質を中心に、バランスの取れた食事で増量を図った。今年の1月には、83キロの体重が自己最大の88キロにまで増えた。咋季は正捕手として不動の位置をつかんだものの、打率は2割3分1厘と低迷した。「自分がもっと打っていれば、楽に勝っていた試合もあった」と悔しさを感じていた。「去年とは違うというところを見せたい」と今季に挑んだ。鍛え抜かれた体で今季初の猛打賞。さらには4打点の活躍で勝利に導いた。真中監督も「年に何回あるかという当たりが、いいところで出てくれた」と称賛した。【栗田尚樹】



