起死回生の一発で、ソフトバンクの9連勝を食い止めた。日本ハム大野奨太捕手(29)が、値千金のアーチをかけた。1点を追う8回。好投を許していた千賀の145キロ直球を、振り抜いた。「入ると思いました」と、感触十分の高い弾道は左翼席へ吸い込まれた。同点1号ソロは、公式戦では14年7月25日楽天戦(コボスタ宮城)以来2年ぶりの本塁打。「たまたまです」。試合前まで打率1割6分1厘と苦しんでいた選手会長兼主将が見せた、意地の一振りが逆転勝利の起点となった。
打撃は、ずっと苦しんできた。14年が1割7分4厘。昨季は1割9分4厘で、新人だった09年から続けていた本塁打も0本に終わった。そのオフ、先入観を捨てた。
「結果が出た打ち方がいい打ち方。いい打ち方だから安打が打てるという考えはやめました」。変化を恐れず、絶えず良いものを探求しようとする意識改革。昨季途中に田中賢から「発想を変えたら」という助言を受けたことが、きっかけだった。安打は出なくとも、5回の第2打席の四球や延長10回の犠打など、コツコツと役割を果たす重要性も、再認識した上で頭に入っている。
「(活躍が)小さいとか大きいとか関係なく、ああいうところが僕の仕事」。試合後、胸を張った。守りでも先発メンドーサ以下、6投手をリードして2回以降はゼロを並べた。「メンディーも崩れないで試合をつくってくれたし、谷元さんも頑張ってくれた」。最後まで仲間をたたえ続ける献身さが、実を結んだ活躍だった。【木下大輔】



