まさか…。今季初の甲子園での伝統の一戦で、阪神藤浪晋太郎投手(22)が今季初黒星を喫した。5回終了時点で1安打無失点。だが突然の乱調で、6回に5安打を集中されて逆転された。自らの二塁打から先制を呼んだ奮闘も勝利に届かず、開幕からの自身連勝は3でストップ。チームは4位に転落した。

 小さなほころびを見逃してもらえなかった。5回終了時点で1安打無失点。6回は1イニングだけで被安打5の4失点。藤浪は厳しい表情のまま猛省した。

 「ボール自体は良かった。6回だけですね。何かがズレたということはなかったんですが。先頭も次の打者も自分の投げミスから。流れを止められなかった」

 序盤は文句のつけようがなかった。「伝統の一戦~THE CLASSIC SERIES~」と銘打たれた一戦。虎ナインは75~78年に着用した「輝流ライン」ユニホームを身にまとい、ストッキングを出すオールドスタイルで臨んだ。藤浪は1回に最速155キロを計測。指にかかった直球、キレ味抜群の変化球を低めに集めた。3回に奪った2点がセーフティーリードにさえ感じられた。

 悔やまれたのは5回2死からの四球だ。8番小林誠を歩かせた結果、次の回に1番長野からの好打順を与えてしまった。「痛かった。もったいなかった」。5回終了直後、巨人ナインは三塁側ベンチ前で円陣を組んだ。狙い球を絞って、早いカウントから打ちにいけ-。6回、指令を受けた猛者たちのワナにはまった。

 1番長野に中前打を許す。2番立岡は2ストライクと追い込み、つり球が中途半端な高さに入った。右中間二塁打で無死二、三塁とされ、流れは一気に巨人へ傾いた。3番坂本には初球の外角142キロで一、二塁間を破られて1点差。さらに無死満塁となり、5番クルーズにはファーストストライクの外角カットボールを左前に運ばれた。同点。なおも無死満塁。6番亀井には内角152キロをミートされ、右翼線2点二塁打を献上。あっという間の4失点に表情がこわばった。

 「そんなに簡単にはじき返されるボールではなかった。完全に相手の流れだった。うまく考えて投げられたら良かったんですが…」

 昨季4試合先発で2完封の2勝0敗、防御率1・13を誇った甲子園巨人戦。有利なカウントからも痛打され、後悔が残る。7回4失点で今季初黒星。チームは4戦4勝だった火曜日に敗れ、4位に転落した。金本監督は「球数も少なくて、今日こそ完投かなと思ったんだけど。突然ね」と6回の乱調に驚きつつも、決して責めはしなかった。次は必ずやり返してくれる。揺るぎない信頼は、応えるためにある。【佐井陽介】

 ▼藤浪は甲子園の巨人戦で、13年9月7日以来3シーズンぶりの黒星だった。甲子園での同カードで4失点も、このときと並びワースト。東京ドームでは通算2勝6敗、防御率3・40に比べて、甲子園では前回まで2勝1敗、防御率1・84。相性のよさは生かせなかった。