最大の勝負どころでエースが奮い立った。自軍打線が8回1死満塁の勝ち越し機を逃した直後、楽天則本昂大投手(25)は集中力を極限に高めていた。「相手に流れがいってしまう。ここを3人で抑えなければ」。ギアをトップに入れて、駿太はフォークで空振り三振、西野には直球で右飛と圧倒した。3人目、安達に対する107球目の直球はこの日最速の152キロ。4球後のフォークで三ゴロに打ち取った瞬間、連敗を3で止めた岡島の決勝打へつながる道筋が完成した。

 潮目を変えた。梨田監督からは「満塁で1点も取れず、普通なら気落ちするところで頑張ってくれた。気持ちがボールに出ていたよ。さすがエース」と最大級の賛辞を贈られた。初回に不運な三塁打から3失点するも、以降は無失点。常にストライクを先行させ、先頭打者を出したのは1、7回だけだった。「調子がすごくよかったので、自分に対する自信は揺るがなかった」。堂々の投球でチームを引っ張った。

 6試合目、44イニングを終えた時点での55奪三振は自己最速ペース。4年目の今季は全ての成績でキャリアハイを目指すと誓っている。「2回以降はまずまずでしたが、立ち上がりがよくなかった。勝てたのは野手の方々が打ってくれたからです」と、勝利にも反省が口をついた。今後も貪欲に、チームのために右腕を振る。【松本岳志】