またメモリアルな一打を放った。高卒2年目の日本ハム浅間大基外野手(19)が、無敗男に強烈な一撃を見舞った。初回、日本デビューから13連勝中のソフトバンク・バンデンハークの150キロ直球をとらえ、左翼席へ運ぶプロ初本塁打。「何がなんだかよく分からないです」と、雄たけびを上げた口が開いたままダイヤモンドを1周。最高の形で首位相手の大事な3連戦の幕を開けた。

 新たな節目は、再び大きな肩書も付いた。10代でプロ1号が先頭打者本塁打となるのは、広島前田以来25年ぶり史上3人目。「めちゃくちゃ、うれしいですね」。昨季は高卒新人として球界で29年ぶりとなるサヨナラ打。クライマックスシリーズにも高卒新人野手で史上初のスタメン出場も果たした。昨オフはシーズンを通して戦える体づくりを目指してウエートトレーニングを強化。プロ入り前に75キロだった体重は80キロ超え。パワーも付け「打ってみたいですね」と、あこがれていた放物線を逆方向へ描いた。

 米アリゾナキャンプ中に負った腰椎分離症を乗り越え、4月30日に1軍復帰後は3試合で14打数6安打4打点。すべてスタメン出場で打率4割2分9厘と存在感を発揮している。だが、試合は延長の末に惜敗したため、「プラスにとらえて、これからも打てるように頑張ります」と悔しさを押し殺して話した。次こそ勝利につながる1発で笑顔を見せる。【木下大輔】