初めて眺める景色だった。お立ち台に上がったヤクルト坂口智隆外野手(31)が、プロ14年目で初のサヨナラ打を振り返った。「浅かったのでやってもうた、と思ったんですけどね。本当は格好良く決めたかったけど…。勝ったので何でもいいです」と関西弁を交え、喜びに浸った。延長10回1死三塁。中堅へ高々と打ち上げた飛球で、三塁走者・中村の本塁生還をアシスト。4時間4分のゲームに終止符を打った。チームを単独4位に浮上させる価値ある犠飛だった。

 オリックス時代の11年にパ・リーグ最多安打。その後は故障が続き、不遇なときを過ごした。輝きを取り戻したくて、昨オフに幼少期から大ファンだったオリックスに自由契約を申し出て移籍。さまざまなチームが獲得に向けて調査を進める中、ヤクルトで第2の人生をスタートさせた。「リセットですね。自分はとにかくヤクルトに拾ってもらった身なので。0からのスタート」と心機一転、決意を新たにした。

 チームが昨季、固定しきれなかった「1番・中堅」で存在感を示す。39試合で打率3割1分4厘。「新」切り込み隊長の活躍で、チームの勝率も5割に戻った。真中監督は「投手陣も野手も最後まで集中力を切らさずに戦ってくれた」と賛辞を贈った。チームは2夜連続で劇的な逆転を演じ、今日13日からは、東京ドームで首位巨人との3連戦。上位進出へ、勢いを止めない。【栗田尚樹】

 ▼坂口がプロ14年目で初のサヨナラ打。今季の坂口は勝負どころでの一打が目立ち、勝利打点は3度目。主砲のバレンティン(2)や山田(1)より多く、中村と並んでチーム最多だ。