神宮で白星も拾った。DeNAのドラフト1位、今永昇太投手(22)が7回を3安打1失点に抑え、3連勝をマークした。直球主体の投球でヤクルト打線を寸断した。駒大時代の主戦場だった神宮での凱旋(がいせん)登板。バッテリーを組んだのも大学の先輩でもある戸柱。「慣れ親しんだ場所。大学のときよりも大きな球場に見えました」と満員大入りの観衆の前で躍動した。

 神宮では大学時代からのルーティンがある。試合前のランニングは球場周辺のゴミを拾いながら走っていた。「目の前にあったら拾わないとという気持ちになる。途中からは拾いすぎるので上を向いてゴミが視界に入らないようにしていた」。プロでは室内練習場や球場で準備ができるが、大学時代は球場周辺のスペースを使って試合に備える。球場周辺のゴミ拾いも試合への準備だった。

 律義な新人左腕がマウンドでは鋭い目つきに一変する。6回に同点に追いつかれ、なお1死一塁でヤクルト山田を迎えた。「日本一の打者。恐れることなく内角を攻めた」と胸元を突き、三邪飛に打ち取った。8回にロペスの3ランで勝ち越し、白星を手中に収めた。ラミレス監督も「コントロール、テンポよく投げてくれた。素晴らしい投球だった」と評価。球団の新人では8年ぶり3連勝で、先発新人左腕となると関口伊織以来20年ぶりに3勝目に到達した。【為田聡史】