西武が、エルネスト・メヒア内野手(30)の両リーグ一番乗りとなる20号3ランで巨人をねじ伏せた。秋山の適時二塁打で勝ち越した直後の7回1死一、二塁。巨人西村の外角スライダーをつぶした。テコでも頭を突っ込ませまいと、打球の行方は一切見ない。左手一本のフォロースルーに乗せ、中堅左のフェンス最上部に当て、そのまま西武ファンの手に飛び込んだ。「この時期に20本。調子がいい。打席を重ねればホームランは増える」と節目にも冷静だった。

 劣勢を冷静に押し戻したのも、この男だった。2点を追う6回1死一塁。塁上のメヒアは、打者中村の初球にスタートを切った。「サインじゃない。自分の判断」。巨人バッテリーは完全に無警戒で「コーチャーに謝った」と、味方をも欺く今季初盗塁だった。直前に栗山が挟殺され、消えかけた反撃ののろしを再びともし「ホームランとは、また違った気持ち」と快感を隠さなかった。

 交流戦ならではの“出会い”があった。先週末の阪神戦。甲子園の通路に飾られたベーブ・ルースのモノクロ写真に見入った。「偉大なルースが日本でプレーした。素晴らしいことだ。自分はルースにはなれないけど、頑張るよ」と気持ちを入れ、本拠地に戻ってきた。巨人戦の交流戦勝ち越しは、日本一になった08年以来の吉兆。田辺監督は「盗塁は、あのタイミングしかない。ホームランは押せ押せ。(直前の)栗山の死球で、燃えるものがあったのでは」と、ルースと同じクラシックスタイルの助っ人に感謝した。【宮下敬至】