じっくりと土台から変える。楽天今江敏晃内野手(32)が14日、イースタン・リーグ日本ハム戦で移籍後初本塁打を放つ活躍で5-2で勝利した。打撃不振から5月27日に出場選手登録を抹消された。2軍では、腰痛を発症したため11日に実戦復帰したばかりだったが、本来の力強さを取り戻しつつある。負傷以外の理由で降格したのは「十何年ぶり」で、再調整の機会に打撃のスタンスを狭めるなどフォーム改造に乗り出した。

 白球はゆっくりと左翼フェンスを越えた。8回1死走者なし。今江はカウント1-0からの日本ハム榎下の2球目をとらえる。滞空時間の長い打球。公式戦では移籍後初となるソロを見届け生還すると、ベンチで咲き乱れるハイタッチに出迎えられた。「僕はホームランバッターじゃないけど、良いバランスじゃないと本塁打は打てない。あそこまでボールを飛ばす力があった」と手応えを示した。

 ピンチはチャンスだ。5月27日に打撃不振から2軍への降格が告げられた。「(理由が)ケガじゃないのは十何年ぶり」と、FA移籍してきた新天地で訪れた試練。しかし「良い機会。一からバッティングを見直す。スタンス幅を狭めたり、来たからにはいろいろやろう」と練習に時間をさける2軍生活を打撃フォーム改造の好機ととらえた。

 年齢から来る変化を感じていた。本来は「追い込まれてからバチンと打つのが持ち味」とパンチ力にあふれる姿が理想。しかし8月には33歳となる。「今江といえばスタンスが広く下半身で打つイメージだったが、体に力が入りづらい。年々球が速い投手も出てきた」と自己分析。目線をブレさせず、間合いを取りやすくなるよう、スタンスを狭めた打撃に挑戦している。

 戦い続けてきた体の痛みは「洗濯物のように、洗って、キレイにはならない」と付き合い続けるしかない。それでも「力強くバットを振るために」と自らの技術を磨く。チームのために、勝利のために。今江はまっさらな心で、野球に向き合っている。【島根純】