七夕の夜空でキラリと光った。DeNA筒香嘉智外野手(24)が1本塁打を含む2安打4打点でチームを2戦連続の逆転勝利に導いた。2点を追う6回、今季20号3ランで勝機を引き寄せると、1点リードの7回には左前適時打で勝負を決定づけた。球団史上初となる左打者の3年連続20号を達成した主砲の打棒で、約1カ月ぶりの同一カード3連勝を決めた。借金を2まで減らし、首位広島と9ゲーム差の2位につける。赤ヘル軍団の独走に待ったをかける。
横浜の空高く、筒香がホームランをかっ飛ばした。6回無死一、二塁、ヤクルト村中の初球だった。136キロ、外寄りに逃げるスライダーを一振。バックスクリーン左へ、筒香ならではの放物線を描いた。続く7回2死二塁、今度はカウント1ボール2ストライクから外角に沈むフォークを左前に運んだ。「自分がいけると感じたボールを思い切りいった」と、勝負どころで別格の存在感を発揮し、堂々の4打点で打線をけん引した。
七夕の夜。球団創設5周年企画の一環で「キッズSTAR☆NIGHT」が初開催された。いつも以上に多くの子どもたちから視線を意識。「野球離れが進んでいる。子どもたちが野球をやりたいと思うようなプレーをしたい。1人でも多くの子どもに『プロ野球選手になりたい』ともっと思ってもらえるように」と言った。この日に限らず野球人気の低迷には危機感を覚えている。だからこそ取材を受ければ自らの思いの丈を伝え「野球人気を復活させたい」と強く訴えた。
この日の4打点は野球少年たちへの「お手本」だった。6回、一時は逆転の3ランは、宮崎が粘って四球を選んだ直後。バッテリーが外角球で探りにくる初球を思い切りよく素直なスイングで仕留めた。7回は2死ながら得点圏に走者を置いた場面。2球で2ストライクに追い込まれたが、4球目の変化球をしっかりと呼び込んでから逆方向に打ち返した。1球で仕留める技術と、追い込まれてからのしぶとい打撃。プロ野球選手の技術を凝縮させた。
自身の幼少期の七夕は短冊に願いを込め夜空を見上げた。今では違う。子どもたち、ファンの願いを受け止め、かなえるために夜空にアーチをかけてみせた。主砲の文句なしの活躍で9連戦を3連勝スタート。ラミレス監督も「素晴らしいゲームだった。筒香はチームが必要としているときに本塁打を打ってくれる」と絶賛。20号の節目の一撃を見届け「3割は間違いなく打てる選手。40本、100打点を達成できると信じている」とうなずいた。筒香本人は願いを問われ「優勝」ときっぱり。ベイスターズの主砲が七夕の夜を満喫した。【為田聡史】
▼筒香が3年連続3度目の20号。DeNAで3年連続20本塁打以上は05~11年村田(現巨人=7年連続)以来9人目。左打者では初めて。チーム最長は70~77年松原の8年連続。筒香の1発はスコア0-2からの逆転3ラン。今季は20本のうち10本が先制、同点、勝ち越し、逆転などの殊勲アーチ。殊勲本塁打が10本は、山田(ヤクルト)の14本に次いでリーグ2位。本塁打以外を含んだ殊勲安打が16本も、山田(17本)に次ぐ2位と勝負強い。



