ラミチャンス打線は本物だ! 終盤の集中打で、巨人に今季初の同一カード3連勝を飾った。2-2の8回、野選と悪送球で2点を勝ち越すと、トドメの3連打で2点を加えて突き放した。最後は1点差まで詰め寄られるも、2位巨人に4・5ゲーム差に接近。対戦成績も12勝10敗1分けとなり、残り2試合で負け越しがなくなったラミレス監督は照準をCS進出から、2位狙いに切り替えて、ラストスパートを誓った。

 DeNAラミレス監督は試合後、高ぶる気持ちを抑えられなかった。囲まれた報道陣に向かって「今年、巨人を3タテしたのは初めてなんだから、もっと喜んでほしい」と笑顔をリクエストした。7・5ゲーム差から一気に4・5ゲーム差に。巨人戦が始まるまでは球団初のCS進出を目標にしてきたが、方針を改めた。「2位になるのは2つ目の目標だったが、優先順位を変える。2位を狙っていく」と、「打倒巨人」を宣言した。

 2戦2ケタ安打で圧倒して迎えた3戦目も9安打で6点を奪った。しかも4点は、同点で迎えた8回に奪った。野選、敵失で2点を勝ち越した後、桑原、石川、ロペスの3連打で2点を加えて突き放した。ラミレス監督は「雨の影響はあったが、ファンの方々にも待っていただいたかいがあった。忘れられない試合になった」と感激した。

 不振に陥った打線をよみがえらせたのは信頼だった。25日の阪神戦でラミレス監督は大きな賭けに出た。不振にあえぐ5番ロペスを3番に上げた。すると31打席ぶりの安打、さらに2ランを放った。試合には敗れても光が差した。以後、ロペスは4試合で16打数11安打の6割8分8厘、2本塁打だ。「我慢して使ってきた。私が3番にする決断を下した。復活してくれてうれしい。これからもチームのためになってくれると思う」とうなずいた。

 信念がある。「信じて使った選手が結果を出したら、使い続けたい。信用して使って負けたら仕方がない」。アドバイスも送った。ホームプレートに近く立った方がいいと指摘し、効いた。ロペスも「いい状態だ。チームがプレーオフに進むことが一番大事」とこたえる。巨人時代にCSを経験する頼もしき助っ人が復調した。ラミチャンス打線を筒香とともに引っ張っていけば、目標は現実のものとなる。【矢後洋一】