「武豊塾」に初入門! 阪神藤浪晋太郎投手(24)が9日、今月上旬から京都市内の「テイクフィジカルコンディショニングジム」で本格トレーニングを開始したことを明かした。

同ジムは競馬の武豊騎手が総合プロデュースしており、親交のある同騎手に志願する形で入門。今後も理学療法士のもとで体の扱い方を学び、来季の完全復活につなげていく。

藤浪は偉大なるジョッキー武豊に志願した。「テレビとかでも、どういうトレーニングをしているのかは知っていて、自分から『やらせてもらっていいですか』と言いました」。同騎手が総合プロデュースするジムへの入門を決意。今月上旬、大阪から京都まで愛車を走らせた。

「ダルビッシュさんからもいろいろ教わって、ウエートを続けて体もしっかりできてきた。今度はその体をしっかりモノにしたい。せっかく体が大きくなったのに、その体をまだ使い切れていない。自分は不器用なところがあって、もったいないなと感じていたんです。だから、ウエートも継続しつつ、体をうまく扱えるようにしよう、と」

狙いは明確だ。16年12月は1カ月間、当時レンジャーズに所属していたダルビッシュに師事。18年1月は米国テキサス州に拠点を移し、ダルビッシュやメジャー最強左腕、ドジャース・カーショーらと合同トレに励んだ。

トレーニング方法や栄養学を学び続け、鍛え抜いた体はすでに体重100キロを優に超える。今度はこの体を使いこなすすべを学びたい、というわけだ。

今回は著名な理学療法士・長谷川聡氏に初めて本格的なメニューを組んでもらったという。「時間的には長くはないんですが、きつかったですよ。ジョッキーの方は体幹も特化して鍛えているから大丈夫なんでしょうけど、自分はそれが下手くそなんで。すごくいいトレーニングだと思いました」。今後もトレーニングを継続していく方向。タイミングが合えば、武騎手との合同トレに発展する可能性もありそうだ。

同ジムは痛みや疲れを原因までさかのぼって取り除き、ケガが起こりにくい体をつくっている。藤浪は武騎手の「自分の身体と、もっと仲良くなりましょう。」という方針に共感している。今季は制球難に苦しんで5勝どまり。最後は右肩に蓄積疲労もためた。しなやかでバランスのいい体を手に入れ、来季こそ完全復活を-。「すごく体が変わりそうな気がしています」。そう期待する言葉に、力がこもった。【佐井陽介】

◆武豊と藤浪 藤浪が武騎手の大ファンで、武騎手も虎党という縁があって、以前から食事をともにするなど親交を深めてきた。藤浪は不振時、13年の日本ダービーで武騎乗のキズナが大外から差し切ったレースの映像を何度も見返していた。当時、天才ジョッキーは落馬負傷から不振がささやかれ続けていた。「ゴールの後、豊さんのグッと小さくかみしめるようなガッツポーズに、どれだけの感情がこもっていたんだろう、と思うと…。自分も頑張れます」と話していた。