広島市は3日、プロ野球・広島カープのかつての本拠地で解体や跡地整備が先送りされている旧広島市民球場(広島市中区)の廃止条例案を、10日開会の6月市議会に再び提出すると発表した。秋葉忠利市長が記者会見で明らかにした。

 市議会は3月、解体費用や跡地整備計画の検討費が盛り込まれた2010年度当初予算案を認めながら、廃止条例案は「市民の合意が得られていない」と否決。旧球場は7月末まで閉鎖が延期されていた。条例案の再提出で市長に批判的な会派の反発が予想される。

 条例施行日は8月1日で、市は解体の年内着手を目指す。秋葉市長は「市民の意見を反映しながら、計画決定まで4年以上かけてきた。13年春に間に合うよう(跡地整備を)完成させたい」と強調した。

 市が1日公表した計画は、観客席を一部残して広場や折り鶴をテーマにしたホールなどを整備。これに対し、旧球場保存を求める市民らが反対署名活動を展開している。

 [2010年6月3日21時28分]ソーシャルブックマーク