<広島1-8ヤクルト>◇22日◇広島

 ヤクルト石川が4月にして早くも去年の勝ち星に並んだ。緩急自在の投球で広島打線をほんろうし、ハーラートップの4勝目を今季初の完投で飾った。4安打1失点、球数は96球。危なげない内容で無四球完投をやってのけ、「(去年は)何だったんだろう。去年があったから、今年があるんです」と苦しい時期を振り返った。

 新人から5年連続2ケタ勝利を挙げた左腕は昨季、自己ワーストの4勝に終わった。「チームも21年ぶりの最下位。今年は何とか取り返したい」と、自分の長所をあらためて見つめ直した。「球は遅くてもインサイドを突けば打たれない」。抜群の制球力があれば、球速は130キロ台でも十分。この日は外角の変化球を生かすため、序盤から強気に内角を突いて打者に残像を植えつけた。

 6回には自らタイムリーを放つなど、気分よく最後まで1人で投げ抜いた。負ければ今季初の借金だっただけに、チームの危機を救う好投に「6連戦の初戦。リリーフの人たちにも休んでもらいたいと思っていたのでよかった」とほおを緩めた。高田監督も「今年は安定感がある。安心して見ていられたね」。昨年期待を裏切り続けたエースに対する信頼は、再び揺るぎないものになった。【広瀬雷太】