<巨人9-3中日>◇11日◇東京ドーム

 中日中田賢一投手(26)が公式戦6連勝中の巨人にKOされた。同カードワーストタイとなる6失点で6回途中降板。3敗目(4勝)を喫し、26歳の誕生日を白星で飾れなかった。前回先発では阪神に9失点しており、得意なはずのTG2球団に続けざまに打ち込まれた。中日は今季初の9連戦を4勝4敗1分の勝率5割で終え、首位阪神に2・5ゲーム差となった。

 中田は、帰りの通路で何度もうなり、悔しげに言葉をはき出した。「球威はあったとは思いますが、全体的にボールが高くなった。低めに集めようと思ったのですが…。ただコントロールだけの問題とは一概にはいえないです」。9連戦の最後を締める巨人戦。3回に2点のリードをもらったが、5回 3分の2 を投げて9安打6失点。プロ4年目で初めての誕生日登板で悪夢を見た。

 投球以外にもミスが重なった。初回先頭亀井のゴロをトンネルして内野安打とし、続く坂本の打席で一塁にけん制悪送球。無死三塁となり坂本の犠飛で失点。わずか9球であっさりと先制点を献上した。

 歯車はかみ合わない。6回、小笠原の8号ソロで3-4と勝ち越され、なお無死一塁から阿部を三振に取ったボールはワンバウンドの暴投となった。走者を得点圏に進め、さらに3連打を浴びこの回3失点。森バッテリーチーフコーチは「打たれることはおれの知ったことではない。ただゴロをとるとか、暴投しないとか、やれることをしっかりやれ」と指摘した。

 黄金週間は、4月29日横浜で4勝目を挙げてから5月5日阪神→11日巨人と中5日でフル回転したが、まさかの連敗だ。阪神戦では3回9失点で「キラー」の面目をつぶし、この日も公式戦6連勝中の巨人に打ち込まれた。巨人戦での6失点は06年4月30日(東京ドーム)に並ぶ自己ワーストタイだ。得意なはずのTG相手に2試合8回 3分の2 で計15失点の内容が、悩みの深さを物語る。

 落合監督は、中田について「そのうち暴れ出すだろう。もう少しかかるよ」と復調に時間がかかることを予想した。中田は「意思と違うところにいったボールもあった。切り替えをうまくやりたい」と自分に言い聞かせるように言った。【益田一弘】