<巨人7-3ロッテ>◇7日◇東京ドーム
巨人が移籍3人組のクリーンナップで3連勝した。阿部慎之助捕手(29)が疲労性腰痛で欠場。原監督は、3番小笠原、4番ラミレスに加え、5番にベテラン谷佳知外野手(35)を起用。谷は3安打3打点、クリーンアップ3人で6点をたたき出し、ロッテに交流戦4戦全勝した。8日からはパ首位の西武戦に臨む。
緩やかで美しい、巨人谷らしい放物線だった。2回1死の第1打席。ロッテ小林宏の低い変化球を、バットのヘッドを立てすくった。「しんだったので、入るんだろうと思いました」。阿部の緊急欠場を吹き飛ばす先制3号ソロだった。
試合前、阿部が突如の練習中止。静岡のファーム戦に帯同していた実松が急きょ呼ばれた。午後6時17分、新幹線で東京駅に到着。球場に着いたのは、2回裏だった。ゲーム前は、若手の顔が並びジャイアンツ球場のよう。頼りになるのはやはり、ベテランだった。
谷だけじゃない。3番小笠原に4番ラミレス。中軸全員が打点を挙げ、しかもそれぞれに重みがあった。
ラミレスは3回2死満塁で、左翼フェンス直撃の2点適時二塁打を放った。前夜、微妙な判定で連続試合安打の記録が止まった。審判が試合前「ごめん。セーフだった」とわびに来ていた。「敬意を表したい。インコースの厳しい球だったけど、最短距離でバットが出たからフェアになった。高度な技術でしょ」と振り返った。小笠原は2点差に迫られた7回に、中前へ適時打。外角低めのボール球をセンター返しする、“ならでは”の技術で中軸そろい踏みは完成した。
卓越した技。痛いなど一切言わない頑健さ。何があっても動じない心の強さ。移籍組3人が一層際立って見えた。谷はサイクルまであと三塁打と「代役」と呼ぶには失礼な爆発だった。「篠塚コーチに試合前“清めの塩”を塗ってもらったんです。ユニホームの上からだから、しみなかったですよ。若手?
自分のことで、精一杯。勝つことを最優先にやる」。一見おどけたコメントの中にプライドが詰まっていた。
3連勝で借金1。8日から西武を迎え撃つ。原監督は「みんなで(阿部不在を)カバーして、いい感じだった。こういうゲームが続くと、体調不良も早く良くなるんじゃないかな」と、故障中の主力にチクリとやることを忘れず、たくましさを披露したナインを褒めた。【宮下敬至】



