<日本ハム3-2オリックス>◇9日◇札幌ドーム

 オリックスには痛いプレーだった。1点を追う3回1死一塁。打者山崎浩司内野手(28)の4球目でカウント2-2になったが、スコアボードの表示は「1-3」。この誤表示が大混乱を招いた。表示が直らず、川口球審は1球ごとに両指で周囲にカウントを示した。

 5球目はファウルで2-2(表示は2-3)。一塁走者の大村直之外野手(33)が山本隆一塁審判にカウントを確認すると「2-3」の答えだったという。大村はその答えを信じ6球目にスタート。投球はボールで、四球と思い込んだ大村はスピードをゆるめたところで、捕手から二塁に送球されタッチアウト(盗塁死)。日本ハム側は表示に頼らず、カウントを正しく把握していた。

 大石監督は、すかさず抗議。1度は引き下がったが、川口球審の「2-2でしたが、スコアボードの表示を訂正せずに2-3のままやってしまった。大村選手が勘違いしてスチールしたが2-2からのボール球なので、盗塁をアウトにして試合を再開します」の場内説明に、再び大石監督はベンチを飛び出し激怒。一方的に責任を押しつけられたのが納得いかず、「一塁塁審も勘違いしていた。その説明もしてくれ」と抗議した。

 試合後、大石監督は「何で審判のミスを隠すんだというクレーム。表示の間違いだけで抗議していたと思われたら恥ずかしい」と怒り心頭だった。川口球審は「スコアボードを訂正していれば何の問題もなかった。反省点です」と話した。先発藤井に7回まで無得点に抑えられ、3連敗。一様に釈然としない顔で引き揚げ、後味の悪い敗戦となった。【柏原誠】

 [2009年5月10日9時50分

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