巨人西村健太朗投手(24)が、炎症を起こしている右ひじについて今月中に内視鏡によるクリーニング手術を行うことが15日までに分かった。右ひじ違和感から5月20日に出場選手登録を外れた西村健は、ファームで別メニュー調整を続けていた。状態は重くなく、同様の手術を行った投手の症例に照らせば、キャッチボール再開まで約1カ月とみられる。原辰徳監督(50)に「ウチの鉄人」と称されたタフネス右腕。メンテナンスをして復帰に備える。

 分業制の確立した現在プロ野球にあって、突出したタフネスぶりを発揮していた西村健がプロ6年目で初めて手術を行う。内視鏡による右ひじのクリーニング。症状は軽く、術後1カ月程度でキャッチボールを再開できるとみられる。1軍復帰の時期は現時点で未定だ。

 一般に骨きょく(骨がささくれ立ったような状態)によって生じるひじの炎症は、放置しておくと、腫れ、水がたまるなどの障害が出る。症状が進めば通称「ねずみ」と呼ばれる遊離軟骨が複数発生し、さらに患部を刺激し悪化させる恐れもある。消炎治療を施しながら登板を続け、今シーズン終了を待って手術を行う選択肢もあった。だが原監督の「一刻も早く完治させたほうがいい」との方針もあり、6月中の手術が決まった。

 西村健は第2次原政権の06年以降、チーム内で豊田に次いで多い通算142試合に登板している。しかもロングリリーフ、セットアッパーから緊急先発まで、持ち場や出番を問わず投げ続けてきた。原監督には戦力として早期復帰を望む思いに加え、背番号「30」を背負う将来性豊かな右腕にとって、完治こそが最善という配慮があった。

 07年8月にはリーグタイ記録となる月間17試合登板。真夏の連投を悠々とこなし、原監督を「彼はウチの鉄人だ」と感嘆させた。ひじのクリーニング手術は登板のかさむ投手の職業病ともいえる。不安をきれいに取り去り、再び剛腕を振るう。

 [2009年6月16日9時1分

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