ソフトバンクが25日、緊急組閣を発表した。森脇浩司ヘッドコーチ兼内野守備走塁コーチ(49)を電撃解任し、後任には今季オリックス監督を務めた大石大二郎氏(51)が就任する。来季への準備に入った秋季キャンプ終了後という異例のタイミングだが、角田雅司球団代表(57)は「新しい人を投入することで組織の活性化を図る。どの企業でも、そういうところがある」と説明した。03年以来のリーグ制覇へ、首脳陣活性化を大きな起爆剤とする狙いがあった。

 大石氏は現役時代、盗塁王を4度獲得するなど近鉄をけん引。ゴールデングラブ賞も3度獲得している。また引退後はオリックスヘッドコーチや監督を務めるなど指導者としても経験は豊富。ソフトバンクは、守備を重視し、相手のスキをつく走塁などにも力を注ぐ秋山監督のスタイルにもマッチしていると判断。今月に入って招へいに向けて水面下で交渉を進めていた。

 大石氏は球団広報を通じて「外部から見ていても優勝が狙える力のあるチームだと思っておりました。秋山監督のもと、1つの歯車としてチームが機能するよう、優勝を目指して頑張りたいと思います」とコメントした。

 解任された森脇ヘッドは96年に現役引退後、ホークスで2軍コーチや2軍監督、1軍内野守備走塁コーチなど歴任。06年に王前監督が胃がん手術のため休養した際は、監督代行を務めた。フロント入りはなく、このまま退団する。角田代表は「森脇ヘッドには貢献してもらったが、新しい血を入れて、ということ」と、悲願の優勝奪回へ向け組織変更に踏み切った決意をのぞかせた。

 [2009年11月26日7時54分

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