中日が来季の新外国人として、今季メキシカンリーグで首位打者とMVPを獲得したディオニス・セサール内野手(33=ドミニカ共和国)を獲得することが9日、分かった。内外野をともにこなせるスイッチヒッターで、俊足と巧打が持ち味。中日では外野での起用が濃厚だ。またパヤノの退団が決定的となり、エドワルド・バルデス投手(29)を獲得する。さらに育成で2人の若手投手とも契約。4選手はいずれもドミニカ共和国出身で、大量補強で来季こそ優勝を手にする。

 ドミニカに視察に訪れていた森ヘッドコーチが選んだのは、米国でのべ6球団を渡り歩きながらメジャーには1度も上がれなかったセサールだった。15年間マイナー一筋でプレーし、ようやく今年、メキシコで栄光をつかんだ苦労人だ。

 内外野をともに守れる俊足のスイッチヒッター。森コーチは今オフの補強ポイントとして「6番右翼を任せられる左打者」と話していたことから、外野で起用される可能性が高い。また、今季限りで引退したデラロサに代わる内野のバックアップを務めることもでき、左右の代打としてここ一番の勝負どころで起用することも可能だ。95、04年には投手としても登板し、計3回を無失点に抑えるなど、捕手以外はすべてのポジションをこなせる、まさに超万能選手だ。

 米国ではメジャーに昇格することはできなかったが、06年にメキシカンリーグでシーズン最多安打を放ち、盗塁王を獲得。今季もバケロス・ラグーナの二塁手として打率3割8分、40盗塁をマーク。首位打者と盗塁王に輝き、リーグMVPにも選ばれている。

 現在はドミニカ・ウインターリーグでプレー。アギラスの主軸としてここまで33試合に出場。2割9分8厘、4本塁打、16打点と安定感抜群で、視察していた森コーチの目に留まった。年俸は5000万円以下とみられ、タイプは違うが第2のブランコとして期待を背負うことになる。

 現地関係者によると、セサールは「長打力はないが、左右に打ち分けるシェアな打撃が特徴」といい、通算279盗塁を記録している俊足も大きな魅力。代走でも起用できる使い勝手のいい選手だ。

 米国、メキシコで15年間プレーし、中日が12球団目となる33歳。遅咲きのドミニカンは来季、3カ国目となる異国の地で、ジャパニーズドリームを追いかける。

 [2009年12月10日10時28分

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