久しぶりにタイガースの完勝を見ました。勝ってもどこかに不安要素が出る試合もありましたが、この日は投打がっちり。中でも高寺と西勇が試合を優位に進める立役者になりました。
近本の代役で1番中堅を任されている高寺には、大きな成長を感じます。初回にヤクルト先発吉村の出ばなをくじいた先頭弾は左中間へ一直線でした。いくら神宮が狭いといっても、12球団の左打者の中で、あれだけ逆方向に飛ばせる選手は少ない。昨年までは控えが中心でしたが、この1年でびっくりするほどパワーアップしています。
タイガースの左打者を見渡しても、ちょこちょこ当てるタイプはたくさんいますが、豪快なタイプはあまりいませんでした。さすがに佐藤は別格ですが、高寺もスイングが速く、1発長打を打てる。肩もそこそこ強いし、守れて足もある。こぢんまりの3拍子ではなく、“スケールの大きい3拍子”。本当に楽しみな大型外野手が出てきました。
チームは近本の離脱後7勝6敗で、高寺が1番中堅に入って4勝4敗。かなり痛手の戦力ダウンでも五分で戦い、この日首位を奪い返せたのは、高寺の存在が大きい。救世主といってもいいぐらいです。近本は肩に不安を抱えているので、帰ってきた時に「左翼近本、中堅高寺」を試してみる良い機会になるかも知れません。それほど魅力的な選手に成長しています。
先発西勇も見事でした。スライダー、カットボール、ツーシーム、シュートなど持ち球を駆使しながら、これぞベテランの味でした。打者が踏み込んできたら内にいく。内を気にしていたら外でかわす。登板機会に恵まれない中でもしっかり調整して、2試合続けて結果を出した。チームの先発事情が落ち着かない中で、明るい光をともしました。(日刊スポーツ評論家)




