16勝でセ・リーグの最多勝投手に輝いた吉見一起投手(25)が16日、「ボール断ち」を宣言した。この日、ナゴヤ球場で走り込みなど2時間の練習で汗を流した吉見は「年内はボールを握りません」と宣言。今オフは体重維持のため、お酒とおもちを控えるダイエット作戦を実行中。2年連続のタイトルへ向け禁酒、禁もちの次は“禁球”作戦を遂行する。

 グラウンドに転がるボールには目もくれず、黙々とランニングを続けた。「去年はクリスマスぐらいに我慢できなくなって握ってしまった。今年はなんとか我慢したい」。自主トレ中の若手選手が、キャッチボールを開始しても参加しない。この日、吉見はあえてボールを握ることをしなかった。そこには最多勝投手なりの考えがあった。

 「ボールを握ると野球のことばかり考えてしまう。特に悪かったこと。1度、気持ちをリセットしたい。肩も完全に休ませる期間を作りたい」。日ごろから野球に対して真摯(しんし)な姿勢をみせる吉見らしい考え方。下半身をいじめ抜くが、タマは握らない。体を動かしながらも、投手の思考スイッチをオフにする。

 今オフはタイトルホルダーとして表彰やイベントなどが急増。何かとごちそうを食べる機会も増えているが「体重(90キロ前後)は維持していますよ。大丈夫」と誘惑に負けていない。2年連続のタイトル獲得へ。12月、吉見の合言葉は禁酒、禁もち。そして“禁球”だ。【桝井聡】

 [2009年12月17日11時0分

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