今季限りで横浜を退団し、米球界挑戦の可能性を探る仁志敏久内野手(38)が、25日までに米国からの具体的なオファーがない実情を明かした。横浜市内で自主トレ中の仁志は「(米移籍は)現実的に楽観できない。正直、最悪のことも想定している」と、引退の覚悟も固めている心境を明かした。

 15年目の来季を見据えシーズン終了直後から練習を再開。米挑戦の理由は「日本の野球を経験した選手がその上を目指すとすれば米国しかない」と話す。現在も複数の関係者を通じ移籍の道を模索。「厳しい現実は承知の上です。それでも悔いを残したくない」。2月のメジャーキャンプ開始までオファーを待つ。

 今季、横浜では開幕から「2番二塁」を任せられたが、打撃不振で4月下旬に出場選手登録を外れた。一時は引退も決意したが、球団の慰留で撤回。その球団から9月に戦力外を通告された。仁志は「最後は自分で線を引きたい。人生は自分で決めるもの。人に言われてやめたくない」と決意を込めた。

 年明けも体を動かす計画だ。「夢を語る年齢じゃないし、厳しい現実があることを前提に夢を語らなければならない」。まだ動く体を維持、強化する姿に、譲れない信念がにじむ。最後の幕は自分で引かなければならない。【山内崇章】

 [2009年12月26日8時32分

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