ソフト劇場が世界一になる!

 ソフトバンクが本拠地福岡ヤフードームに新型ビジョン2基を設置することが22日、分かった。球場では日本最大の「ホークスビジョン」を挟む形でライトとレフトの看板部分に縦5・7メートル、横33メートルのLEDビジョンを導入。合計面積として世界最大となる。球場看板広告の枠を超えた3面のビジョンによる新たな映像演出も企画。7年ぶりのV奪回へ整えられた「世界一」の舞台はオープン戦でお披露目される。

 今季はド度迫力の映像が左翼から中堅、右翼を突っ走ることなりそうだ。今月ドームで着工となった2基の新型LEDビジョン。縦が約10メートル、横が約56・3メートルのホークスビジョンの脇を固める形で、1枚の大きさは縦5・7メートル、横33メートルある。たたみ約320畳分の従来の画面が2枚で230畳分も拡大される計算だ。

 球場関係者は「スポンサー看板の代わりの広告表示だけでなく、真ん中のホークスビジョンと新規の2面ビジョンを組み合わせた映像演出を行い、合計面積としては世界最大のビジョンになります」と説明。表示性能はハイビジョンクラス。従来のホークスビジョンに見劣りせず、本塁打や奪三振など選手の好プレーに合わせた大がかりな映像演出が可能になる。

 打者やイニングごとにスポンサーを切り替えたり、動画で広告をより印象的に表示することもできる。球場看板広告の域を飛び出した、大がかりな装置だ。総工費は5~6億円になるもよう。その貴重な新ビジョンに心配事が1つ。松中や小久保、新加入したWBC韓国代表の李■浩らが推定飛距離145~150メートルの特大アーチを放てば破損する恐れがあり“万が一”に備えて球団は保険をかけることを検討している。

 新たな広告の場となるLEDビジョンは収益アップの期待も込められる。景気低迷の余波は球団を支援するスポンサーにも及び、広告掲出を減らす企業もある。ただし、従来型の看板でなく「動く看板」となれば付加価値が高い。主催試合の入場者数が実数発表となった05年以降、ソフトバンクは5年連続で200万人以上を記録。昨年の224万人はリーグ最多と、もともと入場者は一定水準を保っており、より効果的な宣伝になる。

 ビジョン3面を使った演出を手がけるのは福岡市内に本社を置く、映像制作集団「KOO-KI」が担当。06年からホークスビジョンの映像をつくっており、試合をショーアップする迫力の新作を着々と準備している。ファンを引き込む、シアター(劇場)とも呼べる新空間はオープン戦に間に合わせる予定。あとは「世界一」の舞台に合わせてチームが最高のパフォーマンスを見せるだけだ。※■は木ヘンに凡

 [2010年1月23日13時25分

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