広島が16日ロッテ戦(千葉)からのオープン戦残り5試合で、シーズンに向けた臨戦態勢に入る。15日、マツダスタジアムでの練習で大野豊ヘッド兼投手コーチ(54)はオープン戦で防御率11位(3・80)に沈む投手陣にゲキを飛ばした。16日は昨季9勝の斉藤が先発予定。そのまま30日阪神戦(マツダ)先発が予想され、本拠地開幕投手の大役をになうことが濃厚になった。

 開幕までの5番勝負で、シーズンに向けた総仕上げを行う。雨の降る本拠地。投手陣を前にして大野コーチがカツを入れた。

 「いつまでもキャンプの延長、オープン戦の気分だと困る。今までの気持ちで(シーズンに)入ってもらったら困る。野手は何とか変えようと思って必死になってやっている。投手もしっかりマウンドで出してもらわないと」。

 先発、救援ともにピリッとしない状況が続き、厳しい口調で引き締めた。

 春季キャンプから「打高投低」の図式が続く。オープン戦は4位の好位置につけるが、打線が打ち勝つ展開が多く、チーム防御率3・80は、12球団中最下位のヤクルト(4・15)に次いで数字が悪い。先発候補だった今井が右ひじを痛めてキャンプを離脱。開幕投手筆頭候補だった大竹も右肩疲労でこの日から3軍に降格。開幕アウトになった。セットアッパーのシュルツも調整が遅れ、17日の巨人戦(東京ドーム)でようやく初実戦のメドが立った。とにかく誤算が続いた投手陣の調整だった。

 大野コーチ

 ある程度、本番モードに入る。先発陣は投げたイニングに点を取られすぎている。ピリッとして試合を作ってもらわないと。リリーフも不安定。内容も良くないからね。救援陣も争いになるよ。

 14日のソフトバンク戦では開幕投手が決定的な前田健も5回4失点。先発投手が早々と崩れる悪循環を断つためにもオープン戦残り5試合は「シーズンモード」で戦う。16日のロッテ戦は斉藤が先発。5イニングを投げる予定だ。

 春季キャンプから着実に調整を重ねる斉藤は「自分の先発の仕事をするだけ。試合をしっかり作って、ケガなく1年間やれる体作りや投球をしていきたい」と意気込んだ。登板後は、23日のウエスタン開幕・中日戦(岡崎)での調整登板から本拠地開幕の30日阪神戦での先発が濃厚だ。

 大野コーチは言う。「大竹が戻ってくるまで、頭に描いているものはある」。開幕直後の6連戦を見据えて、6人でローテーションを回す方針。この日からの関東遠征には14日の実戦で投げたばかりの前田健、篠田らも帯同した。刻一刻と、3・26開幕は近づく。大竹不在の穴を、ナイン一丸となってカバーする。【酒井俊作】

 [2010年3月16日11時51分

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