<阪神1-2広島>◇21日◇甲子園

 絶好機で凡退した阪神城島健司捕手(33)が、悔しさをあらわにした。広島戦同点の8回無死一塁から、代打金本の右前打で広がったチャンス。目の前で新井が敬遠され1死満塁となった場面で、痛恨の空振り三振を喫した。「ああいうチャンスにきっちり結果を出さなきゃいけない」。屈辱を胸に秘め、今日こそきっちり借りを返す。

 城島が、重い足取りで甲子園の階段を上がった。日本代表の4番も務めたスラッガーが「どんな形であれ、1点を取らなきゃいけない場面。それができない。最低でも外野フライを打つような技術を持っていないと思うと、情けない」。

 絶好のチャンスだった。同点の8回1死一塁、大声援を送られた代打金本が復活安打で後ろにつないだ。球場のボルテージが上がっていく中、1死二、三塁で4番新井が敬遠された。城島は、移籍後初めて目の前で打者を歩かされて満塁で打席に立った。3打数ノーヒットだったジョーに甲子園全体の期待が集まった。

 しかし2球連続で痛恨のミスを犯した。カウント0-2から前田健の外角スライダーをファウル。見逃せば、0-3になる球に手を出し「ボール気味だった。自分の中ではちょっと謙虚さをというか、きちっと(見極める)と思っていたところに真っすぐがきた」。

 続く4球目は、捕手の外角要求に対して甘くなった145キロの直球。ただボールを見極める“謙虚な気持ち”でバットを構えたために、振り遅れて一塁側にファウル。最後は外角スライダーに三振。「スライダーか真っすぐか、どっちかを仕留めないといけない」と反省した。

 続くブラゼルも2死満塁で空振り三振に倒れて勝ち越しの絶好機を逸した。真弓監督は「あそこやね。城島とブラゼルが何とかしてくれると思っていたんだが。(城島は)調子が良くないから、自分で焦っているのかな。ああいうボール球に手を出すことがある」と振り返った。

 城島はこの日、開幕後初の早出ランニングを敢行。ポール間ダッシュを8本こなして試合に備えた。しかし2試合連続ノーヒットで打率も2割4分7厘にダウン。5番のジョーは「ゲームに出ている以上は結果を出さないと。調子が悪いから打てませんでした、ではいけない。その中でもHのランプをともしたり、犠牲フライを打ったりしていくのがプロ」と潔く自分の責任を認めた。やられっぱなしではいられない。

 [2010年4月22日11時15分

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