<阪神3-2ヤクルト>◇7日◇甲子園
強力打線に負けじと阪神先発下柳剛投手(42)が踏ん張った。6回を2発のソロのみに封じる2失点。6月4日に結婚を発表してから実に3連勝。42歳以上の投手では工藤、山本昌、大野に続く史上4人目の5勝以上を達成だ。同一カードで先発投手が2連勝したのは4月23日、24日中日戦のフォッサム、能見以来。8日は安藤、先発も頼もしくなってきましたデ~。
投げるほどに歴史を刻む。42歳、下柳の5勝目は価値ある1勝だった。6回83球を投げ2失点。勝ち投手の権利は手にしていなかった。だが、下柳の代打、関本の1発で勝利が舞い込んだ。「みんなのおかげ。感謝、感謝、感謝、感謝です」。クラブハウスへ向かうベンチ裏で、仲間へのお礼の言葉を4回も繰り返した。6月10日、西武戦(西武ドーム)以来、27日ぶりの白星。42歳以上の投手の5勝は、史上4人目の快挙だった。
1回、先頭打者青木にバックスクリーンへ先制アーチをたたき込まれた。天を仰いだが、この状況から修正するのが百戦錬磨のベテランがなし得る経験値だ。ガイエルには死球を与えたが、デントナを124キロのフォークで三振に打ち取ると、何事もなかったように、ゆっくりとベンチへ引きあげた。
6月4日に25歳の一般女性と入籍。以来無傷の3連勝。14日に大照れ発表してからは初勝利となった。6月18日、横浜遠征中に親交のある競輪選手の岡部芳之(39)と、ささやかに結婚を祝った。一生に一度のおめでたい席だったが、シーズン中に主役がハメを外しすぎることはなかった。お酒は乾杯の1杯だけ。テーブルに並ぶごちそうを前にしても、野菜を優先的に口に運んだ。話題もいつしか、トレーニングやサプリメントの話になっていた。生活の中に、野球が入り込んでいる。
米子遠征中の22日、プロ初の1軍昇格を果たした横山ら、若手投手を焼き肉に誘った。ベテラン左腕は、自ら“鉄板”奉行を買って出た。緊張する横山にレバーを差し出すと「これには鉄分がいっぱい含まれてるからな」とさりげなくアドバイスした。42歳まで投げ続けられるヒントが随所に転がっている。まさに生きた教材だ。
同一カードで先発が2連勝したのは4月下旬以来。最近3勝は、すべて先発投手に勝ち星がついている。不安を抱えていた投手陣も整備され、チームにも浮上の兆しが見えてきた。【鎌田真一郎】
[2010年7月8日12時4分
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